キース・ハント先生来日セミナー<その1>
さる6月、英国よりキース・ハント先生が来日、クリニカルマッサージの二日間のワークショップを開講しました。
今回で3回目となる講習会でしたが、前回よりもまして勉強になる講習会でした。
キース先生との最初の出会いは、1996年から10年間、毎年続いたJEAの英国アロママッサージ研修ツアーの中でした。
この研修ツアーは、現代の英国でオイルマッサージを初めて病院の患者さんに行ったマッサージ界のカリスマ、クレア・マクスウェル・ハドソン先生のスクールで一週間マッサージを教えて頂くと言うものでしたが、そのクレア先生の教え子が、ロンドンにあるロイヤル・フリー・ホスピタルで患者さんにマッサージを行っているのを毎回見学をさせて頂いていました。それがキース先生でした。
大柄の男性で、しかも、ピンクのTシャツを着た、とっても陽気で庶民的なキース先生は、日本人のアロマセラピストが考えるようなセラピスト像とはかけ離れたタイプの方でした。ですが、この方だからこそ、世界で他に類を見ない偉業を成し遂げられたのです。ロイヤルフリー病院では、昨年2018年一年間にキースさん率いる25名のセラピストチームがマッサージを行った回数は驚愕の36,000回でした!!
今月から何回かに分けて、そのキース先生からの学びをみなさんと共有したいと思います。
キース先生は、今年69歳になられました。昨年68歳で52年間務めたロイヤルフリー病院を退職されました。キース先生がロイヤルフリー病院に就職されたのが1967年、16歳の時でした。52年間の勤務年数のうち、最初の26年間はセラピストとは全く関係の無い、ロイヤルフリー病院施設内にある職員専用のスポーツセンターのスタッフとして働かれていました。
ところで、キース先生の偉業と言うのは、もちろんセラピストとしての偉業のこともあるのですが、そればかりではなく、働く人としての偉業もあります。それは52年間、一日も病気で欠勤したことがない!!と言う事です。それだけでも周りから「きみは人間じゃない!」と言われるほどなのですが、いったい、どうしてそれが出来たのか、毎年一回は風邪をひいたりして仕事を休むことがあるほとんどの人間にとって、とても不思議ですね。
キースさんはセラピストとして働き始めた後も、何年かはものすごいヘビースモーカーで、一日に60本煙草を吸っておられたそうです。やめたきっかけは、肺がんで末期の患者さんに煙草を吸っているところを見られ、肺がんの患者にマッサージをする君がたばこを吸うなんて、何を考えている!と怒られた事だったそうです。
さて、キース先生は「わたしは仕事をしたことがありません」とおっしゃります。それはどういう意味なのか、それは次回のお楽しみに。
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