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フランスが元祖、メディカルアロマテラピー

フランスのメディカルアロマセラピーを紹介する講座を先日オンラインで開催しました。>>講座詳細

14年前からJEAの授業や、ソレイユ(JEAのセラピスト派遣事業部)がセラピストを派遣している多くの医療施設で使用している精油[ブランド名:モンサンミッシェル]を提供してくださってきたのが、今回の講座の主役であるフランスの老舗精油販売会社「フロリラブ」さんです。

↑「フロリラブ」植物療法専門の薬剤師のピエール・ランベール氏

調剤薬局や医師が顧客

フロリラブは20年以上にわたり、ヨーロッパ最大級の調剤薬局を含む3,600以上の薬局と1500の医療関係者を中心に精油を提供してきました。つまり、医療用精油のプロバイダーなのです。

日本やアメリカ、英国のようにアロマセラピストが精油を療法に用いるのとは違い、医師が疾病の治療薬として精油を様々な賦形剤の形で処方するのがアロマテラピー発祥の国、フランスの今のアロマテラピーの姿なのです。

ウイルスやバクテリア、真菌類による感染症から、睡眠障害、皮膚疾患、自律神経失調、更年期障害、筋肉や関節の炎症や痛みなど、様々な疾患に精油が処方されているのです。

 

お茶を濁す名称「アロマオイル」

日本の一般消費者は知らない事なのですが、「アロマオイル」と呼ばれる香りのする液体は本物の精油ではない場合が多いのです。精油の定義は「芳香植物から水蒸気蒸留法で得られる100%天然の揮発性有機化合物」ですから、安価な合成物質だけで出来ていたり、それらを精油に混ぜたものを販売している会社は、「精油」と言うと嘘になってしまうため、あえてアロマオイルという新しい呼び名で呼んでいる場合もあると考えられます。

念のために書いておきますが、精油は「油脂類」ではありません。精油には油脂成分は全く含まれません。

(圧搾法で抽出されたミカン科の植物の精油も本来は精油ではなく、エキストラクトに分類されます。)

 

人間が合成した香料は3000種類

昔、ヨーロッパでは香水はすべて植物から蒸留した精油とアルコールで出来ていましたが、現在では、香水のほとんどは植物由来ではなく、ベンゼンやアセチレンなどから化学的に合成された香料とアルコールを組み合わせて作っています。

芳香植物は香りが良いだけではなく、薬用植物としての働きを持つものが多いのです。

たとえば、仏像、お線香や扇子などの材料として日本で昔から使用されていたサンダルウッド(白檀)は、乳香や没薬など宗教儀式に使用される芳香植物の多くがそうであるように、精神安定作用がありますが、一方で、殺菌作用や消炎作用などもあリ、アロマセラピーでも人気の精油です。

しかし、栽培が需要に追い付かず、サンダルウッドは今や非常に高価な精油となってしまいました。

そのため、香料業界では、もうずっと前から本物の精油ではなく、化学的に合成された白檀らしい香りの香料を作り、使用しています。その中身は企業秘密です。もちろん、それは薬としては使えません。

 

香りのシンフォニー

今回、フロリラブが誇るラベンダーの精油について、その栽培から蒸留に至るまでのこだわりについて説明がありました。

JEAの授業で使用しているラベンダーを嗅いでみていただくとわかるのですが、香りが豊かで奥深く、まるで香りのシンフォニーです。安いラベンダー精油のような奥行きのないキツさもありません。その香りの奥深さはいったいどこから来るのでしょうか?

 

環境を選ぶ

フロリラブは自然が豊かで、大気汚染や農薬汚染がなく、かつ、標高1000メートル以上の高地でラベンダーを栽培する農場から長年精油を買いつけています。(良いラベンダーの精油は標高が低いところでは作れません。)

種から育てるのには理由があります

北海道などで見かけるような、青一色の整然として花の高さがそろった畝のラベンダー畑のラベンダーは、実は挿し木で増やしたクローンです。つまり、桜で言えばソメイヨシノです。一つ一つの株の色も形も匂いも全く同じなのです。それが香りを単調なものにしています。

↑挿し木で育てたクローンラベンダー

 

↑種から育てたラベンダー

フロリラブが契約している農場では「挿し木「ではなく、「種」からラベンダーを育てています。写真で比べてみるとわかりますが、種から育てたラベンダーは色のバリエーションがたくさんあります。これは何を意味するのでしょうか?

実は、精油に含まれる芳香成分がバラエティに富んでいるということなのです。これはまさに香りのシンフォニーなのです。奥行きのある、まろやかな香りがそれを物語っています。

 

大量生産ラベンダーとの違い

大きな農場のクローンのラベンダーは姿かたちが整っているので、トラクターで一気に収穫できるため、大量に精油が採れ、低コストです。これらの精油のバイヤーは複雑な香りや芳香成分の薬理効果にはこだわらず、出来るだけ安い精油を買い付け、化粧品会社などにせっけんや化粧品の香料として大量に卸しています。 

これに対し、薬用の精油を扱うフロリラブが購入するラベンダー精油は全く違うアプローチで作られています。

種から育てたラベンダーは花の高さがまちまち。本来それが自然な状態なのです。ですから、手作業でしか収穫できません。収穫したものは束にして一日置き、水分を飛ばして香りを濃縮させます。

 

湧き水を使って丁寧に蒸留する

そのあと、変質を避けるためにすぐに農場の蒸留器で蒸留するのです。

蒸留に使用するのは清らかな湧き水です。

蒸留にはゆっくりと時間をかけ、出来るだけ多くの芳香成分が残るように行います。また、蒸留した後に残った植物の残渣は、次の蒸留のための燃料として使用するため、無駄がなく、とてもエコです。

手間暇かけて、心をかけて生まれた精油

フロリラブでは常に新鮮な精油を販売することにこだわっているため、大量に仕入れて在庫にすることはせず、信頼関係で結ばれた、薬用としての品質にこだわる顧客に販売するために必要な量しか買い付けません。

これほどまでに手をかけて大切に育て、丁寧に採取され、蒸留された精油を使わせていただける私たちは本当に恵まれているのです。

 

あらためて、これからも、モンサンミッシェルのラベンダーを大事に使わせていただきたいと思います。

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Category / アロマコラム

Author / Kazue Gill

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