January 21 2022

グラウンディングする香り

このところ、ベチバーの芳香蒸留水を洗顔後の化粧水として使っています。今日はこのベチバーの話をします。

私は英国に住んでいた1985~95年の間に自然療法に目覚め、アロマセラピーやヨガを習い始めました。その時、よく耳にしたのが、“グラウンディング”という言葉でした。精神状態が安定して冷静である、または地に足がついている、よって、大地のエネルギーによって充電ができている、というような意味あいで使われていました。

さて、精油はその揮発スピードによって、トップ、ミドル、ベースと分けられていますが、このベースノートの香り、つまり、重い、長持ちするベースノートの香りを持つ精油がいわゆる、グラウンディングの精油として使用されます。たとえば、不安感、不眠、自信欠如、パニック、考えることがやめられない、などの精神状態に対して効果があります。
そのベースノートの精油の一つに、イネ科のベチバーという精油があります。ベチバーが本来育つのはインドのような暑い地域ですが、近年、日本でもベチバーの栽培がおこなわれ、国産の精油も誕生しています。レモングラスのような外観をしていますが、使用されるのは葉ではなく、その根っこです。
個々の精油がどんなことに効果があるのかを考えたときに、その精油が植物のどの部分から採れたものなのか、どんな環境で育ったか、などを知ると、不思議に納得がいくのです。
ベチバーの根はたくさんの細い根で、深く、びっしりと土に張っています。ですから、グラウンディング、すなわち揺らがない、安定させる力を持つのです。また、根は植物にとっては生きるために必要な水やビタミン、ミネラルを土から吸収する機能があります。これは、栄養の吸収を行うということになりますから、私たちにとっては胃や腸のような栄養を吸収する臓器の機能を高めてくれるのです。仕事が忙しく、消耗してばかりいる人には心にも身体にも充電が必要です。
そして、ベチバーは暑い気候の中で育ちますので、暑さに強い、すなわち、冷やす作用があるのです。ですので、全身に使えば身体を冷やしますので暑さで身体が弱っている時や、関節炎などの炎症性の疾患に良く、また、たとえ冬であっても、頭を使い過ぎたときにはベチバーの香りをかいだり、顔や頭に芳香蒸留水などを塗布したりスプレーすればスーッと落ち着いて気が頭から降りてきます。私たち現代人は運動不足で首から上ばかり使っていますから常に気が頭に上がっている状態ですので、こんなときの頭痛にも良いとされます。アロマセラピーではベチバーは脳卒中後のリハビリ期間にも循環を良くするために使用されることがあります。

インドや東南アジアではベチバーの根でマットやすだれを作っています。とても涼しげな香りが心地よいばかりではなく、虫よけ効果もあります。特に、すだれは水をかけると香りが立ち、気化熱によって部屋が涼しくなるそうです。

昔、バリでベチバーの根で作られたランチョンマットを買ってきましが、長い間香りを楽しむことが出来ました。そのランチョンマットを使うたびにバリに旅行した時の楽しい気分がよみがえって、ああ、また行きたい!と思わせてくれました。香りは常に記憶を呼び覚まします。これがアロマセラピーのもっとも素敵な魅力です。

↑ベチバーの根で編まれたリンゴのオブジェ

Category / アロマコラム

Author / Kazue Gill

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