October 20 2024

フランキンセンスの木が危ない

フランキンセンスはアラビア半島やアフリカで自生する樹木で、
その樹脂は乳白色をしていることから、日本では乳香と呼ばれています。

石の上にも育つほど乾燥と高温に強い生命力を持ち、
感情を鎮める力があることなどから、
6000年もの昔から東西の宗教儀式において聖なる香りとして用いられてきました。
新約聖書ではキリストの誕生時にフランキンセンスが捧げられたとされています。

 


アロマセラピーの人気によって今、
フランキンセンスへの需要は10年で倍増するほどのスピードで高まっています。

 

樹皮に切り込みを入れ、浸み出た樹液を乾燥させると樹脂となります。
樹液は木にとっては血液のようなものであり、
傷口を癒し、病原体を殺菌する力を持ちます。

 

需要が増えると樹皮に切り込みを入れる頻度も上がり、それが木を弱らせ、しまいには木を殺してしまいます。
新しい木は一日では育ちませんので、今、フランキンセンスの木は準絶滅危惧種になっています。

フランキンセンスの精油は抗酸化作用が高く、傷の治癒促進、免疫力強化、神経や血管の保護作用などがあります。

 

また、抗ガン作用に関する期待を持たれている精油でもありますが、
信頼性の高い臨床的なエビデンスもない中で
いたずらに抗がん作用を謳ってフランキンセンスを推すのは人としていかがなものかと思います。

人にも自然にも真摯に向き合いたいものです。

 

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Category / アロマコラム

Author / Kazue Gill

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