春の香り
淡き光立つ 俄雨 いとし面影の沈丁花
溢るる涙の蕾から ひとつひとつ香り始める
ユーミンの「春よ来い」です。私はこの歌が好きです。まだ見ぬ春の香り、空気感をみずみずしく感じさせてくれるすばらしい歌詞ですね。
沈丁花はまだですが、そろそろ町にも春の香りが香り始めています。
水仙、蝋梅、白梅、とてもいい匂いですね。これと、沈丁花やキンモクセイ、ジャスミンなどが自分の好きな香りです。なぜ、これらの花の香りが好きなのか、それを知りたいと思い、それらに共通する香気成分があるはず、と思って調べてみますと、リナロールは水仙、キンモクセイ、沈丁花、蝋梅、ジャスミンのすべてに、比率の多少の差はありますが、共通していました。
リナロールはアルコール類に属する物質で、強力な鎮静作用、鎮痛、抗不安、血圧降下、殺菌作用などがあり、アロマテラピーで主役級の精油に共通して含まれる成分でもあります。心を穏やかに鎮めてくれる香りで、日本の精油としてはクロモジの主成分です。
シスートランスオシメンは蝋梅や水仙に含まれる香気成分で清々しいグリーンな、まだ早春とも言えないくらいの時の気候を反映するクールな香りです。
沈丁花は春、金木犀は秋の香りですが、この二つに共通する香りがβーイオノンです。面白いのは、金木犀については、その花のオレンジ色はカロテノイドという色素成分によるもので、これが酵素で分解されてβーイオノンが生成されるそうです。ですので、金木犀においては、オレンジ色が濃いほど、このβーイオノンの量も多くなり、香りが強くなるそうです。
また、ベンジルアセテートは、白梅、水仙、ジャスミン、沈丁花に共通していました。
ところで、調べているうちに、白梅の香りは抽出が難しいため、それを他の香料を使用して再現するために調香師さんが何を使っているかという記事を見つけました。一つはジャスミン、ローズ、カーネーションとトルーバルサムを調合するというものでした。
ちなみに、この4つの香料のうち、アロマテラピー発祥の地、フランスで治療用の薬として使用されるのは水蒸気蒸留法で抽出が可能なローズの精油だけです。そのほかの精油はすべて、薬品を使って抽出する方法しかないために、人体には使用しないのがフランスのメディカルアロマテラピーの伝統です。とくに、カーネーションやトルーバルサムはフレグランスの材料としては使用しますが、アロマテラピーでは使用しません。
また、ジャスミンと安息香(ベンゾイン)を同量、混合したものが白梅の香りになるらしい、という記事も目にしました。
ジャスミンも安息香も私の好きな香りです。私の自宅サロンの名前も「安息香の木」とネーミングしたくらいです。
安息香は、わたしにとっては子供の頃の昭和な駄菓子屋さんの匂いなのです。ちょっとフェイクなバニラ様の香りで、毎日のように通った駄菓子屋さん、子供の頃の楽しい気持ちがよみがえるのです。
そして、ジャスミンはインド舞踊を26年間続けているわたしにとっては、インドの香りなのです。その二つの香りはそれぞれとても強い香りで、似た感じもあるので、この二つを合わせるということはまず、考えたことがなかったのです。その二つを同量合わせると白梅の甘く、クールな春の香りになるのか??と、にわかには信じがたいものがありました。
ですので、とにかく、二つの精油のビンを一緒に嗅いでみたら、その匂いはまさに・・・・・!!
バナナ、でした!
ジャスミンのフルーティーな香りと安息香の甘い香りが出会えば、それは当然バナナしかないのです。ジャスミンと安息香のマリアージュ=バナナ。子供が好きそうですね!
これにさらにマンダリンを加えてみました。マンダリンも子供と相性が良い香りです。なんだか、とっても楽しい気分になってきました!!
3月9日スタートの『ホリスティック・コンサルテーションとブレンディング基礎講座』は、私が30年間のアロマセラピストとしての経験と学びを通じて、質の高いアロマセラピストに必要な要素をぎゅっと凝縮させ、昨年新しく構築した特別講座です。
トリートメントを行わず、精油そのもので人の心と身体をホリスティックにサポートするために特化したアプローチを勉強します。
綿密なコンサルテーションで心と身体の状態をより深く把握し、香りと化学成分の両方の側面から、その人にピッタリのフォーミュレーションを作る方法を学ぶ8時間(二日間)の講座です。
アロマテラピーの基礎知識があれば、アロマテラピーの初級者も上級者も一歩踏み込んだブレンド作りが出来るようにます。
オンラインでコンサルテーションを行い、ブレンドをフォーミュレーションして販売することを目指している方にはイチオシです。
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