森林浴
いよいよ蒸し暑い季節がやってきました。
年々猛暑日が増え、温度も上がってきますよね。
私たち人間や動く事の出来る動物は日陰に避難したり、冷たいものを飲んだり、水に入って涼んだりできますが、植物はどうでしょうか?
根を下ろしたら最後、どんなに太陽が照り付けようが暑かろうが、雨が降らない旱が続いても、その場所で生きていかなければなりません。
そんな時、植物はどうやって自分の身を守っているのでしょうか?
その一つに精油を発散させるという方法があります。
オーストラリアのブルーマウンテンと呼ばれるところにはたくさんのユーカリの木が茂っています。
気温がとてつもなく上昇するとユーカリの木は1,8シネオールやピネンなどの揮発性の高い精油成分を葉の表面から分泌し、それが蒸発する気化熱で周りの大気の温度を下げようとしているのです。
もちろん、作用はそれだけではありません。
成分もこの二つだけではなく、他にもあります。このような精油成分をまとめて「フィトンチッド」と呼びます。
これは今では生物活性物質と呼ばれています。
これらの精油成分が遠くから見ると青い色として見えるためにブルーマウンテンと呼ばれているのです。
1,8シネオールやピネンというのは爽やかな緑の香りで、空気の浄化作用や殺菌作用、去痰作用などがあり、私たちが呼吸をするときに吸い込むことで、喉や鼻、気管支の粘膜を覆う粘液に溶け込み、これらの作用を発揮してくれます。
また、粘膜から血流に取り込まれると全身循環に入り、脳にも届きます。
それは私たちにとっての森林浴効果なのです。
血圧を安定させたり、ストレスホルモンの過剰な分泌を抑制したり、穏やかな睡眠、集中力の向上など、良いことばかりです。
ただし、ユーカリはもちろん、どんな精油でも嗅ぐときは薄い方がよいのです。
これは実験で明らかにされています。
健康効果をもたらすレベルのフィトンチッドの濃度は非常に低く、1ppm(1万分の1濃度)以下です。そんなに薄くても人間は匂いとして感じることが出来ます。
1ppmというとイメージしにくいですよね。
これは25メートル幅10メートルのプールの水に、コップ1杯半の塩を入れたくらいの薄さ、と言われています。
これを越えた濃度になってくると、逆に身体には良くない反応をもたらしてしまいます。
過ぎたるは及ばざるがごとし、ですね。
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石の聲
長年の友人であり、イワクラなど聖地の岩を取り続けている須田郡司さんのお話しを明日香の岡本寺に聞きに行きました。
とても面白かった! 何百年、何千年、何万年?と人間の信仰の対象となってきた岩や石の存在感がすごい。
長い年月、そこを訪れる人々の念がそこに蓄積されていくとも言えます。
須田さんはイワクラの写真を撮り始めたころ、あるお坊さんから、「興味半分でイワクラの写真を撮りに行っていたら、命を取られるから注意しなさい」といったようなことを言われたそうです。私は非常に良くわかります。
特に何かを祈るための岩については絶対に面白半分で行ってはいけない。
明日香にはイワクラかどうかはさておき、石が多いのです。亀石、石舞台、酒舟石、あまり知られていないところでは岡の立石、など。まだたくさんあります。
不思議な明日香です。
これは益田の岩船です。
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香りを創る
これまで様々なテーマに沿ったブレンド精油製品を創ってきましたが、これがとっても楽しいのです!!
先日、スクールのイベントでブレンディングのコツをお話しさせてもらいました。
JEA大阪校で行われた「ソレイユオープンデイ」のこちら>>>
その時に、明日香村で香りを探しながら歩く、サイクリングする、という過去に2回行ったイベントのことを紹介しました。
このブログでは、ブレンドが上手になりますよ!というポイントをご紹介いたします。
まずすべきことは、柔軟剤や消臭剤やシャンプーの香りではなく、本物の香りを嗅ぎ、それに意識を向ける。どういうことかというと、それがたとえ、猫のおしっこであれ、秋の落ち葉の香りであれ、カレーライスであれ、お米の香りであれ、土の香りであれ、嗅いでその印象を心に刻むのです。
そして、様々なテーマについて、例えば、夏のリゾート地をほうふつとさせる香りをお題にもらったときは、自分がそこにいたとして、周りに何があるか、風は? 湿度は? 温度は? 人の気持ちは?
そんなことを全部考えて精油を選びます。
スクールではこんなブレンディングの勉強もするかと思えば、スパセラピストとしての勉強、病院の中での終末期患者さんへのアロマセラピーなど、いろんなことが学べます。
もちろん、薬理効果もすごい!
クローブ(丁子)はほんの少しでもバイオフィルムを崩壊させる殺菌力もあるし、ほんの少しブレンドに入れるだけですっきりとした香りになります。
そしてかゆみに良いので、虫刺され、頭がかゆいとか、そういう時にも使えます。
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穏やかな緑 カルムヴェール
私は暑い夏が苦手です。
得意な人はそういないと思いますが。
暑さ、と言うより、湿気がたまりませんね。湿気が低ければ日陰に避難すればそれなりに涼しいのですが、残念ながら日本の夏は湿度が超高い!
それで、以前、少しでもさわやかな夏を過ごしていただきたいと思い、夏用ブレンド精油の製品を販売したのです。
テーマはバカンスでした。アロマセラピーの発祥の地、フランスでは夏ともなれば誰しもが3週間とか4週間とかまとめた休みを取って涼しい保養地でゆっくりしたり、世界を旅行したりと楽しむことが出来ますが、悲しいかな日本人はまず、そんな長い休みをいただくことが出来ないシステムとなっております。
お金もないし(涙)。ということで、バカンスに行かずとも、この香りを嗅いだらそんな気分になれるよ、という香りを創ったのです。「アイランドブリーズ」というネーミングで、オレンジスイート、ジュニパーベリー、パイン、イランイラン、ペパーミント、ホーリーフを配合しています。
きれいな白浜の浜辺でビーチパラソルの下で、冷たいドリンクを飲みながら、浜辺の後ろにある松林かマングローブの林から吹いてくる涼しい風の香りを感じる。そんなイメージで作りました。
昭和の時代は今と違って、夏は小麦色の肌になることがおしゃれだったので、トロピカルな香りの日焼けオイルなんかを塗ったりしたので、ちょっと濃厚なトロピカルフラワーの香りも私にとっては夏のイメージなのです。
ぜひよかったら使ってみてくださいね。
そして、今年の7月はずばり、森林浴ブレンドを発売しました。ネーミングはCALME VERT(カルムヴェール)。フランス語で「穏やかな緑」という意味です。
シベリアモミ、シダーウッド、パイン、ブラックスプルウス、サイプレス、ティートリーがブレンドされています。
これは嗅いだだけで涼しくなる、爽快な森の香りです!作った本人である自分もワオ!と驚きました。
こちらもぜひ、お試しを。ポマンダーに垂らして扇風機とかクーラーの吹き出し口の前に置いてみてください。
心も体もすがすがしく浄化されていくようです。ちなみに私が造る精油のブレンド製品は100%天然、純粋な精油のみで出来上がっています。
添加物や合成香料など、精油ではないものは一切含まれていません。だから最高の香りなのです。
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梅雨の救世主!天然成分で作る、肌にも優しい虫よけスプレー
梅雨に入ると蚊が増えてきますね。
自分は蚊に好かれやすい体質のようで、午後に畑に行くとあっという間に蚊に食われます。
蚊取り線香も風で飛ばされるので腰からぶら下げでもしない限り、あまり効果がありません。
ドラッグストアで売っている蚊よけスプレーは効きますが、そこに配合されている色々な合成化学物質は身体に悪そうです。
ですので私は精油を使ってスプレーを作ります。
蚊よけにはもう大昔からシトロネラの精油が良いと言われてきましたね。
もちろん、それも何度も試してきましたが、シトロネラだけだと香りも刺激もきついので、最近はクローブ、ペパーミント、シトロネラ、タイム(チモールケモタイプ)をブレンドしています。
それぞれオイゲノール、メントール、シトロネラール、チモール成分が昆虫などの忌避作用があり、より効果的です。
ただ、これらも皮膚に対して刺激もありますが、ブレンドしてみると意外に大丈夫。
そして、みんながやっているようにアルコールに精油を希釈しても水を多く加えるとやはり分離してしまい、刺激になりやすい。
また、水とアルコールだけだとスプレーした後、すぐに蒸発してしまって効果が長持ちしないので、私はジェルベースに精油を混ぜてから水で薄めています。
こうすると粘性が少し高くなる分、精油の蒸発が少し遅れるのと、水と精油が良く混ざるのとでなかなかいい感じです。
ペパーミントを一番多くすると冷感が強くなります。私は冷感以外の刺激を感じませんが、お肌の敏感な方はご注意ください。
☆材料☆
・ジェルベース(Mont Saint Michelブランドがおすすめ) 大さじ1杯
・精油:ペパーミント 6滴
クローブ 2滴
シトロネラ 2滴
タイム(チモールケモタイプ) 2滴
・水 20~30ml(ペパーミントの芳香蒸留水でも可)
☆作り方☆
大さじ1杯のジェルベースに精油を合計12滴滴加えます。
ペパーミント6滴、そのほかは各2滴ですが、もう少し濃度を高くしても大丈夫な方であれば、そのほかの精油を3滴ずつでもOKです。
ジェルベースはMont Saint Michel(フランス製)ブランドのジェルベースを愛用しています。
このジェル、肩こりや筋肉痛用のジェルを作るときにも重宝しています。
ジェルを手作りする手間が省けますので私は愛用しています。
ここに、お水、もしくはペパーミントの芳香蒸留水を20~30mlを加えて、よく混ぜれば出来上がりです。
これをまんべんなく皮膚にスプレーしておけばバッチリです。
スプレーにする場合、皮膚にスプレーがかかっていないところがあると、そこを喰われます(笑)。
お顔は避け、目に入らないようにし、直接スプレーを吸い込まないようにご注意ください。
ジェルの量を多くして、水を少なくすると、スプレーと言うより、塗布剤として使えます。
これで刺激を感じるようであれば、ホホバオイルなどの植物油少量に精油を混ぜ、次にジェルを加え、それから水、の順番で混ぜ合わせるとよりマイルドになります。
是非、これからの時期に、肌にも優しい虫よけスプレーを作ってみて下さい♪
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大和当帰は美味しい
今年から畑でヤマトトウキ(大和当帰)を育てています。
以前、奈良県宇陀市室生の民宿に宿泊した際、このヤマトトウキの葉を天ぷら、味噌汁の具として出してくださったのですが、これがとっても美味しくて感動したのです!
いつか自分もこれを育てたいと思っていましたが生薬なので以前は一般人は栽培したりできないと言われたことがあったので諦めていました。
ところが! 今年、同じ宇陀市松山の道の駅で苗を見つけ、なんだ、売ってる! と喜んで購入して畑に植えました。
ヤマトトウキの香りはセロリに近く、乾燥した葉を粉砕して塩と混ぜたハーブソルトも人気です。
奈良県が振興している植物で、和にも洋にも合う食材です。今年は自分で作れるので嬉しいです。
ヤマトトウキの根は漢方薬の当帰の材料として栽培されています。学名はAngelica acutilobaです。
女性の疾患や不調、つまり、血の道の問題に使用されてきました。
ミヤマトウキ Angelica sinensis var.iwatensis も昔はあったとのことですが、今は流通していないようです。
中国でトウキといえばAngelica sinensisを指すようで、こちらは唐当帰と呼ばれます。
このヤマトトウキからも精油が採れるのですが、生薬である根からの精油の抽出は許可されていないのでしょうか、ネットで調べると葉からの精油しか見あたりません。
しかも超高価!
そこで代わりになる精油はないか?ということになるのですが、あります!
ヤマトトウキと同じセリ科の植物にはアロマセラピーではアニシード、フェンネルシード、アンジェリカ(根および種子)などがありますが、これらもヤマトトウキのように血の道の不調に昔から使われてきました。
実は、アロマセラピーで用いることのあるアンジェリカの精油はヤマトトウキに最も近く、和名はセイヨウトウキで学名はAngelica archangelica です。
ヨーロッパではお菓子の飾りとして茎が砂糖漬けになったものが食品として使用されてきました。
アンジェリカは根や種子から精油が採れますが、根の精油は光毒性が強いため、使用の方法に注意が必要です。そのため、おすすめは種子からの精油です。
古い木の棚の扉を開けた時のようなほっこりする香りで、私は嫌いではありませんが、一般受けはしないかもしれません。
私自身は月経関連のトラブルがなかったので、お世話にはあまりならなかったのですが、自分の中では同じく血の道のトラブル全般に使われるシソ科のクラリセージと同じカテゴリーに入れています。
香りのノートも両方とも落ち着くミドルからベースのノートですので、チャクラとしては第一チャクラから第二チャクラに響く香りです。
利尿作用が高く、月経開始の約2週間前の黄体期に現れる身体のむくみにもおすすめです。
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抹香とシキミ酸
日本語に「抹香臭い(まっこうくさい)」、というフレーズがあります。
仏教的なくさみがある、とか坊主くさい、とかいう意味だそうです。
坊主くさいって、、、、僧侶の方にはかわいそうなフレーズですが、そもそもこの抹香とは何か?
調べてみると、樒(シキミ)という植物の葉を粉にして作った線香とのこと。
樒は日本列島全域、台湾、中国に自制する固有種でした。
樒は神道で使われるお清めや魔除けの意味を持つ榊(さかき)と同様の使われ方をされていて、仏壇、時には神棚にも供えられるのみならず、香の材料にもなっていたのでした。
京都の西にある愛宕山は火伏の神として、毎年七月下旬から八月上旬にかけての「愛宕神社千日参り」の時期には多くの人が参拝に訪れます。この時に参拝すると、千日お参りしたのと同等のご利益が得られると信じられているからです。
山頂の愛宕神社では樒が榊のように使われています。
その愛宕山のふもとの宕蔭地区に樒原(しきみがはら)という、樒の名所だった場所があります。私は京都に住んでいた頃、よくそこを訪れました。越畑という隣の村のおいしいお蕎麦屋さんへ行く途中にあったからですが。
今はわざわざここを訪れる人は少なく、ひっそりとした棚田の美しいところです。
「愛宕山 しきみが原に 雪積り 花摘む人の 跡だにもなし」
「時雨つつ日数はふともあたご山しきみか原の色はかはらじ」
などの歌が詠まれていますので、昔はそれなりに名所だったのでしょう。
ところで、お香やお線香は現代では天然素材だけではなく、様々な人工香料が用いられているものがほとんどですが、抹香の香りを知りたいと、二オイフェチの私は樒の香りを探したところ、樒の粉だけを香料成分として用いたお線香が見つかりました。
和歌山県高野山大師堂から発売されている樒線香です。和歌山は、昔は日本で一、二を争う樒の生産地だったそうです。
他にも愛媛県東温市でも樒栽培が盛んで、ある農家さんが樒だけを香料として用いたお線香を作っておられます。
早速取り寄せて嗅いでみるとその香りはとてもさわやかで、甘みがある塗香のような香りです。塗香はお寺で写経をする前に身体に付ける粉末状の香です。
樒の実(八角によく似ている)は猛毒で、間違って食べると運が悪ければ死に至るレベルです。アニサチンという無臭の成分によるものだそうです。ただ、安芸の宮島の猿は樒の実を食べるらしいです。
香りの成分が多く含まれるのは葉や樹皮で、これを食べる人はいないので、こちらで人間の食中毒が起きることはまずないようです。
葉や樹皮にどのような成分が含まれるかというと、
⚫︎リナロール・・・ラベンダーやベルガモット、クラリセージ、クロモジなど多くの種類の精油に含まれ、鎮静、抗うつ、抗不安、血圧降下、鎮痛、殺菌作用などがあり、刺激も毒性も低い安全な成分です。
⚫︎1,8-シネオール・・・ユーカリやローズマリーなど多くの種類の精油に含まれ、去痰作用、抗アレルギー、殺菌、血流促進、鎮痛、抗炎症作用などがある。
⚫︎ミリスチシン・・・パセリやナツメグの精油に含まれ、抗酸化、抗炎症、肝臓保護、血管新生抑制作用があり、神経毒性がある。
⚫︎サフロール…サッサフラスやカンファーに含まれ、細胞毒性、発がん性がある。
⚫︎オイゲノール…クローブ(丁子)やタイム(オイゲノールCT)などに含まれ、抗感染、殺菌、鎮痛作用が強い
⚫︎アネソール…フェンネルやアニシードに含まれ、抗肥満、抗ストレス、エストロゲン様作用がある。
などです。樒の線香は特にこの中のオイゲノールやアネソールの香りを強く感じます。
ミリスチシン、サフロール、オイゲノール、アネソールは植物の中でシキミ酸経路という経路で生合成されます。このシキミ酸という物質は昔、科学者によって樒から発見され、のちに、多くの植物の成分がこのシキミ酸経路で合成されることが明らかにされたのです。
シキミ酸経路で合成される成分は強力な作用を持つものが多いように感じますが、それと背中合わせに毒性など、気を付けるべき特性も持ち合わせているものが多いようです。
それに対し、リナロールや1,8-シネオールなどのテルペノイド類はメバロン酸経路で合成されていて、こちらの経路で合成されたものは毒性の低い精油成分が多い傾向があると感じます。
精油の中には素晴らしい効果と背中合わせに注意すべき作用も併せ持つものがあるため、これらを主成分とする精油を使う場合、そこをしっかりと認識して使用することが必要です。
JEAのアロマセラピーコースではアロマ製剤の講座では塗香の作り方も学びます♪
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アロマと腸活
腸は菌の巣窟
食べ物に混ざった病原体が侵入し、繁殖しやすいのが消化管です。私は昔、インドとネパールを6カ月間のバックパッカー旅行中、赤痢にかかって下痢が半月ほど続いて死にそうになった経験があります。
北インドのジャイサルメールという町に着いた頃には意識がもうろうとしてきたので、医者に来てもらい、腕に二日続けて注射してもらった抗生物質で下痢は止まらず、3日目にお尻に超大サイズの注射を打ってもらってやっと止まり、ぎりぎりのところで死を免れました。
その後も旅を続ける中で何度か下痢をする感染症にかかり、それでも懲りずにヒマラヤにトレッキングに行ったりしていました。インド旅行から戻ったときには行く前に比べて10キロ体重が落ちていました。今から30年以上昔のインドはとても不衛生なところだったのです。
ちなみに17日間のヒマラヤのトレッキング中はそもそも山中にレストランなどないわけで、村の農家が片手間にやっている宿でチャイと質素な食べ物だけで山を歩いていました。
この旅は図らずして究極のデトックス、究極のダイエットとなってしまいましたが、旅が終わったとき、私の頭の回転はそれまでの人生で経験したことがないくらい速くなっていましたし、記憶力もすごーく良くなっていました。
なぜそうなったか、はわからないのですが、後半で説明する腸脳相関ではないかなと思ったりします。ちなみに、そのころはロンドンに住んでいたのですが、ロンドンに戻って下痢もせず、砂糖と乳製品の多い普通の食べ物を食べていたら、半年ほどすると私の頭の回転は残念ながら普通にもどってしまいました。You are what you eat ということでしょう。
このように、腸は病原菌が繁殖しやすい環境のため、人体の免疫細胞の70%が腸管にあります。また、全身に600個から700個ほどあるリンパ節のうち、最大200個ほどが腸間膜にあり、何とか身体を防御しようとしているわけです。
腸管免疫
人間の腸に棲む細菌には悪玉菌と善玉菌、どちらでもないものなどを含めると1000種類以上が棲息しているらしいです。1000種類ってすごくないですか?
この腸内細菌が私たちの免疫機能にとても重要な役割を担っていることが解明されています。これを腸管免疫といいます。
免疫反応の暴走をコントロールする腸内細菌
コロナパンデミックで知られるようになったサイトカインストームは免疫反応の暴走ですが、このサイトカインストームを起こした新型コロナ患者や、がん患者、近年増えている炎症性腸疾患を発症している人では腸内細菌が分泌するある物質が共通して減少していることがわかっています。
その物質とは、善玉菌が産生する酪酸、プロピオン酸、酢酸などの短鎖脂肪酸です。これらは抗炎症作用、抗微生物作用、腸上皮細胞のエネルギー源の機能を果たしています。
プロバイオティクスとプレバイオティクス
この短鎖脂肪酸を増やすには善玉菌(プロバイオティクス)を含む食品を食べるだけではなく、善玉菌の餌になる食品(プレバイオティクス)を食べる必要があります。それは食物繊維やオリゴ糖などの大腸で消化しにくい難消化性炭水化物を含む食品です。
便秘は大敵
女性や高齢者に多い便秘も腸内細菌のバランスを崩してしまうことがわかっています。便秘の原因は色々ありますが、専門的な話になってしまうので、ここでは細かい説明は飛ばしますが、どちらにしても、おなかの筋肉を動かす運動やマッサージは改善に役立ちます。
JEAで教えている腹部のトリートメントやボッダー式リンパドレナージが排便を促す効果は経験上とても高いと感じます。
便秘の改善に役立つ精油
また、セルフでおなかをマッサージする時におすすめの精油もたくさんあります。
バジル、ローズマリー(ベルベノンCT)、ジュニパー、カルダモン、マジョラム、レモンバーム、フェンネル、ジンジャー、ブラックペッパーなどが腸を刺激する精油です。
これを植物油に希釈してマッサージに使用する方法以外にも、カルダモンやジンジャーはチャイにも入っていますし、フェンネルやレモンバームもハーブティとしてよく飲まれるものですので、これらをハーブティとしてブレンドして飲むことも効果的でしょう。
これ以外に便秘によい精油があります。それは心に働きかけ、リラックス作用の高い精油たちです。
腸は第二の脳
なんと腸は脳と約2000本の神経線維でつながっているとのことで、腸の不調は脳に影響を及ぼしますし、精神的ストレスは腸の機能に影響するのです。 これを腸脳相関と言います。学校に行くのが嫌だと思っている子供が腹痛を起こし、お休みしていいことになったらケロッと治ってしまう、ということもその一つの例かもしれませんね。過敏性腸症候群もストレスが関係していますね。ちなみに過敏性腸症候群にはペパーミントが有効であることは研究で示されています。
そこで、このような精神的な原因が背後にあるような場合はストレスを和らげることが重要です。
ローマンカモミール、ベルガモット、ラベンダー、プチグレン、ゼラニウムなどは酢酸リナリルやアンゲリカ酸イソブチル、ギ酸シトロネリルなどのエステル類を多く含み、アルコール類のリナロールやゲラニオール、シトロネロールなどとともに心と身体をリラックスさせてくれます。
緊張やストレス、不安などが少しでも便秘に関与しているような時にはブレンドに加えることをおすすめします。クリームベースに混ぜてフェイスクリームとして使うのも効果的です。
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アロマコスメ
久々の投稿です。昨年9月から田舎に移住し、大阪で仕事をしています。
やっと涼しくなり、外出して田舎のきれいな風景を楽しむことが出来るようになりました。
10月1日はJEAにとって記念すべき日となりました。
オンデマンドアロマセラピー講座の理論授業がスタートしたのです。
27年前にアロマセラピストの養成スクールを開校してからずっと、時代のニーズに合わせてカリキュラムやテキストをアップデートしてきましたが、オンデマンドにするのを機会にすべてのカリキュラムを一から見直しました。
より、科学的に、よりホリスティックに、そしてより実践的であることを目指し作成しています。
この27年、アロマセラピストとして、また講師として自分自身も成長しました。
初めてアロマセラピーを勉強する方々の目線に立ちつつも、大事な部分に今までよりもずっと深く切り込んだテキストと動画を作っています。
モジュール1の作成がすでに終わって今はモジュール2に取り掛かっています。
そのあとは、レストランでいえばコース料理のメイン、JEAでもっとも価値のあるモジュール3があります。
それはさておき、精油や様々な基材を用いて安全なコスメや身体に使うものを作る、アロマ製剤はとっても楽しいですね。
新しいオンデマンド講座ではコスメ、ハウスキーピング、救急箱の三つのカテゴリーに分けて様々なアロマ製剤を作る授業があります。
アロマセラピーの楽しさはやはり、こういうことが出来るところですね。
私が手作りしていてとっても納得感があるのが、フェイシャルミルク的なものと歯磨き粉です。今回はフェイシャルミルク的なものをご紹介します。
忙しい自分は化粧水、クリーム、セラム、みたいな三段階のケアはどうしても無理です。
ですので、それが全部入ったトロリとしたミルクとクリームの間みたいなのを作っています。
題して、
ギルスペシャル・オールインワン・フェイシャルフォーミュラ
自分用なので、あまりカチコチに分量や濃度を測ったりしません。
30年以上精油を扱っていると、感覚でわかるようになります。皆さんは真似せず、精油の濃度は1%で計算してくださいね。
基材
●芳香蒸留水
ローズマリーやネロリの芳香蒸留水をブレンドします。若返りの水です! これがすでに素晴らし香りで、精油に匹敵するほど。もちろん、ローズも入れたりします。
●モンサンミッシェルのジェルベース
フランスの薬剤師さんが作ってくれたフォーミュラで、これがとっても使い勝手がよく、手放せません! 油と水を混ぜたいときには乳化剤のような働きをしてくれるのです💛
●植物油
バオバブ、カレンデュラ、アボカドなど。抗酸化=アンチエイジングです!
この三種類の基材があれば、被覆効果と水分補給と保湿が全部できてしまうわけです。
夏は芳香蒸留水の割合を増やすことでさっぱり、秋になったらちょっと油を増やしてしっとりするようにしています。分離しそうになったらジェルで調整します。
精油
●サンダルウッド
インドマイソール製の老山白檀と呼ばれるホワイトサンダルウッド。これは大変希少価値が高いのですが、薬剤師さんから買っているので100%正真正銘の本物の天然サンダルウッドです。サンダルウッドは偽物が多いのですよ。
近年、皮膚の中にも嗅覚受容体が存在し、それがサンダルウッドの香り成分に反応することが発見されたのです。サンダルウッドの成分がこれに結合することで傷の治癒が促進されることが分かったのです。 歳を取ると傷の治りが遅いですからアンチエイジング!
● 乳香
聖なる精油です、お守り的に。カラカラに乾いた大地や岩の上に生えて、しかも照り付ける太陽の紫外線にも負けずに育つ乳香の木は乾燥や紫外線から身を守る物質を作り出しているわけです。それが乳香の精油です。
● ネロリ
なんといっても私にとっての癒しの香りであり、美容効果も高い
●ローズ
心と身体の調和、身体全体の強壮、抗酸化、シワ、アンチエイジング! 香りがとっても強いし、大変高価なのでので、一回作るときに一滴しか入れません。
● ローマンカモミール
私にとっては心が穏やかになる癒しの精油ですし、皮膚のトラブル全般に良いので、トラブル予防でつかっています。
どれもとってもお高い精油ですけど、自分の顔に使うものですから妥協はしません!
小さめのクリーム容器に作ってなくなったらこまめに作るようにすると、精油の抗酸化作用が失われず、香りもフレッシュなものをいつも楽しめます。
もちろん、冷蔵庫保存です。絶対に室温では保存しないほうがいいですよ。
アロマテラピーの資格って必要ですか?
アロマテラピーの資格って必要ですか?
~アロマテラピーとの出会い~
10代の頃から自律神経のバランスを崩しやすかった私はアロマテラピーに出会って人生が変わりました。
月経の始まる前になると筋緊張性頭痛を起こすことが頻繁にあり、
その度に頭痛薬を飲まなければ嘔吐するほどの辛い痛みにくるしめられていました。
30代の時にアロマテラピーに興味を持ち、自己流で使っていましたが、ある時、ビギナー向けのマッサージ講座に参加してみました。
その日は朝起きると、頭が重く、このままではまた鎮痛薬を使うことになりそうだなと思っていましたが、講座の中で自分でブレンドしたマッサージオイルでトリートメントしてもらったら、授業の終わる頃には頭痛はすっかり消え、8時間たっぷり寝た後のように爽やかで、元気になっていました。
これがきっかけとなり、本気でアロマテラピーを学ぶことになったのです。
精油が健康に役立ったことはもちろんですが、人間の心と身体について掘り下げて学ぶ事で、セラピストとしてだけではなく、人としての成長ももたらしてくれました。
アロマセラピーの資格とは?
アロマセラピーが日本で広まり始めてから30年ほどになりますが、今、「アロマセラピーの資格」で検索すると資格や協会、スクールの数は驚くほど多く、勉強してみたいと考えている方はどこで学ぶか、きっと迷ってしまうはずです。
アロマセラピーは日本では比較的新しい自然療法ですから、資格も全て民間の資格です。
国家資格になるには、まだ国内での歴史が浅すぎるのです。
それゆえに、統一された履修単位やシラバスもなく、たった数時間、授業に参加しただけでアロマテラピーの資格がもらえるところもあれば、その何十倍もの時間勉強し、試験に合格して初めて資格を取得できるところも、同じようなアロマテラピーの資格として宣伝されているのが現状です。
今、このブログを読んでくださっているあなたもきっとこのような差がある事を不思議に思っておられるかもしれません。
そんな方のためにたった一つだけ、資格を選ぶ時に役立つ目安があります。
そして、この目安は実は最も重要な目安なのです。
あなたはアロマセラピーをちょっとかじってみたいだけなのでしょうか?
それとも自分はもとより、家族や誰かを楽にしてあげたい、人に提供できるようになりたいから学ぶのでしょうか?
これが目安です。
精油は植物の中に含まれる、アルコールやテルペンといった揮発性の物質を何百倍にも濃縮した液体です。
油と言う字を使っていますが、油ではありません。
これを様々な心身の不調や病気の予防、健康、美容などのために使います。
何かが流行ると、人はより短い時間で、簡単に、安くそれを手に入れようとするのが世の常です。
それは必ずしも悪いこととは言えませんが、その結果、必要不可欠な勉強をせずに精油を人に使ってしまったとしたら、人体に害を及ぼすリスクがアロマテラピーにはあります。
お金をいただくかどうかにかかわらず、他者にアロマテラピーを提供する、つまり精油を使用するのであれば、そのことに責任を持つのは倫理的に当然のことです。
ですから必要なことはしっかりと学ばなければいけないのです。
ここまで聞いて堅苦しい話だな、難しそうだな、もういいや、やめとこ、と思ってしまわれましたか?
でも、経験豊かな講師の資格を持ったアロマセラピストから学べば、実際にはそれほど難しいことはありません。
楽しみながらマイペースで学んでいるといつのまにか、アロマセラピーの実践に必要な知識や力がついていくものなのです。近道せずきちんと学んだことは身につきます。
アロマテラピー発祥の地、フランスでは医師によって精油を用いた治療が行われています。
まさに、精油は薬の材料にもなりうる物質なのです。
ですから、人の身体と心のしくみや、病気についての知識もない人が、精油を人に使うことはリスキーなのです。
一人一人の健康状態やニーズに合わせ、安全で最も効果的な精油の選択や使用方法、アプローチを考える力を勉強できるスクールなのかどうか、ここがポイントとなります。
JEAの卒業生はアロマテラピーの実践に必要な事を学んだからこそ、サロン開業してお客様を元気にしたり、医療施設で長年アロマセラピストとして活躍することができているのです。
JEAの講師は全員IFPA(国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟)の講師だから、本物のクリニカル・アロマセラピーをお伝えできます。
IFPAが他の協会と大きく違う点は、その教育カリキュラムの水準の高さです。
認定校では、人間の心と身体の詳細な勉強と科学に基づいた精油の知識に加え、心を中心に据えたセラピストとしての関わり方を学ぶことが出来ます。
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