2019年は皆様にとってどのような年となったでしょうか?
人生には色々なことが起きます。とてもうれしいことが続いた方もいる一方で、つらい経験をされた方もおられたことと思います。齢を重ねるごとにおめでたい出来事ばかりではなくなるのも避けることができません。そのような時にこそ、本当に真剣に生きることについて考えることが出来るのかもしれません。

私は改めて今の自分や世の中のあり方を考える年となりました。今の世の中、優しさよりも、競争に勝つこと、正直であることよりも、いかに得をするかが大事になり、目立ってなんぼ的な風潮になり、人間らしく生きようとしても生きにくい、なんだか殺伐とした社会になってきました。

それを覆い隠すかのように、常に新しいもの、かっこいいもの、かわいいもの、自分の欲を掻き立てるもの、便利なものが次々と目の前にぶら下げられて、それを追いかけることで心の中の渇きにすら気が付かなくなってしまっているように思います。

また、情報ばかりが増殖して(その多くは真実ではないですし)、私たちは頭でっかちになり、情報だけで何かが理解出来た錯覚を持ってしまいますが、それは経験することとは全く別の事です。観光ガイドブックを見て、きれいな景色や美味しいレストランの情報をどれだけ見たところで、そこに行くことの代わりにならないのと同じです。私たちの鼻、耳、目、触覚を通じて何かを体験する事で本当に本質を知ることが出来ると思います。

そういう意味で、身体の感覚や双方向のコミュニケーションを必要とし、また他者を元気にすることが喜びであるセラピストの仕事についている人々は幸いと言うほかありません。セラピストは誰かが困っている時、また、つらい状態にあるときの気遣いやフォローがとても優しく、細やかです。私たちセラピストは直接相手の身体に優しく触れ、精油の香りを使うことで、相手の方に自分の愛をダイレクトに伝えることも出来ますし、その場だけの癒しではなく、私たちの施術を通じて、相手も自分も大きなものとつながっている、孤独ではないということに気付くきっかけを提供することが出来るのです。

今、医療現場でも、心のケア、スピリチャルケアを真剣に行っているセラピストの方々がおられます。その方々が大事にしている事、それが、苦しんでいる人たちに寄り添う、という事です。
昔、禅宗の僧侶の方が書かれたある本に『一番難しい修業は「ただそのまま聴く」ことである』と書いてありました。瞑想をしたことがある方は理解できると思いますが、何も考えるな、と言われても、ものすごい勢いで頭の中でおしゃべりをする私たちの脳を静かにさせ、入ってくるものをそのまま受け止め、観察する、ということはとてもとても難しいということなのです。でも、それができて初めてスピリチャルケアが出来るのだと思います。私たちセラピストはどのようにしたら、相手に寄り添う事が出来るのでしょうか?

今年3月21日に東京で開催される「IFPAカンファレンス2020」では、そのようなスピリチャルケアとしてのアロマセラピーを病院で実践されているアロマセラピストや、心に問題を抱えた青少年たちのケアをアロマセラピーで行っているセラピストなど、国内外からお招きし、その実践から学んだことを私たちに共有して頂きます。今年一番のギルイチ押しのIFPAイベント、ぜひご参加ください。

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Author / Kazue Gill

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アロマセラピストの間では、CIBTACの名を聞いたことのある方は少ないと思います。しかし、美容やスパ業界では昔から良く知られています。
今回はCIBTACについて、ご紹介したいと思います。


その前に、まず“スパ”についてご説明します。スパはもともとは温泉や鉱泉のことを指しましたが、現在では“ウェルネス”、つまり、健康増進と美容、癒しを目的とした様々なサービスを提供する施設のことを指します。
プールやジム、ヨガスタジオなどの施設も整っているのが理想です。
日本の湯治場も、原点としての意味で言えばスパになります。

スパのメニューにはボディやフェイシャルの様々なタイプのマッサージ、ネイル、美容機器を使ったトリートメント、ハイドロセラピー、タラソテラピー、アーユルヴェーダやリンパドレナージ、東洋医学、アロマセラピー、ホットストーンなど限りない種類が含まれます。スパセラピストはそれらの様々なサービスを安全に、もっとも効果的に提供できるスキルを持っていなければ務まりません。

このところ、外国人観光客の増加で、スパを持つ外資系の高級ホテルの開業ラッシュが続いています。
ジャパン・エコール・デ・アロマテラピーの母体である株式会社サンリツでは今年だけでも、北海道から沖縄まで5つのホテルスパの運営やお手伝いを請け負っています。
そこで働くサンリツのセラピストは素晴らしい技能とおもてなしの心を兼ね備え、一流のサービスを求めておられるお客様に満足していただくトリートメントを提供しています。

CIBTAC(Confederation of International Beauty Therapy & Cosmetology)の歴史は古く、1977 年にサロンやスパで美容トリートメントや化粧品を扱うセラピストの為の賠償保険を提供する英国の協会BABTAC (The British Association of Beauty Therapy & Cosmetology)の教育部門として設立されました。
スパセラピーに必要なスキルの教育システムを提供し、公平で透明性の高い世界共通試験を通じて多くのスパセラピストの認定を行っています。

CIBTACセンターは世界26か国に200校以上ありますが、日本にはジャパン・エコール・デ・アロマテラピーを含め、現在4校しかありません。厳しい審査に合格した研修施設だけがCIBTACセンターになることができます。
日本ではジャパン・エコール・デ・アロマテラピー以外のセンターはどこも美容やスパの専門校です。
世界のセレブが利用することで知られる高級スパ、タイの「チバソム」付属のスクールもCIBTACセンターで、世界中からセラピストが資格取得の為に集まっています。

ジャパン・エコール・デ・アロマテラピーで取得可能なビスポーク・ボディマッサージ・ディプロマ『CIBTAC Bespoke Body Massage Diploma(E17)』の資格は、職業訓練基準のレベル3を満たすものです。
ジャパン・エコール・デ・アロマテラピーのモジュール1実技と、モジュール2実技(もしくはアロマフェイシャル)と解剖生理学(ベーシック&アドバンス)を学んだ方はこの資格の取得試験に必要な学習の大部分をすでに学んでいます。
ですので、あと少し、補習するだけでCIBTACの認定試験を受験することができるのです。
主に次のようなことを12時間の補習で学びます。
  
衛生学、感染症予防、皮膚疾患学、経営学、保険、サロン運営、コミュニケーションと接遇スキル、スパ施設の設備やメニューについて、クライアントの姿勢アセスメントを含めたより詳細なコンサルテーション、栄養学、クレーム対応、一流のスパセラピストにふさわしい立ち振る舞い、話し言葉、装い、好転反応、叩打法や振動法などの手技、ボディマッサージ実技の確認、などが含まれます。
  
アロマセラピストとしてのスキルは英国IFPA資格で充分ですが、世界のスパで通用するセラピストという点で、CIBTACのボディマッサージ資格を取得することは、皆さんに新しい知識やスキルをもたらすだけでなく、より大きな自信や就職のチャンスを与えてくれることと思います。
ぜひ、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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>>CIBTAC資格対応コース詳細

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先日、ザ・プリンスさくらタワー東京〜SPA THE SAKURA〜マネージャーである義本美和さんにインタビューしました。ぜひこちらもご覧ください。

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Author / Kazue Gill

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先日のブログではキース先生の記事を書きました。
最後に、「キース先生は仕事をしたことがない」とおっしゃったけれど、なぜか?と言うところで終わっていました。

今月はその続きです。
キース先生はご自身のしていることがとても好きで、楽しんでいるために、仕事をしたことはない、とおっしゃったのでした。

普通の人は仕事をどんなに好きでも、ああもう嫌だ、とか、疲れた、とか、仕事に行きたくない、と思うことが時々あるものですが、キース先生にはそれがなかったのです。いつも、好きなことをしていたので、心のエネルギーが高い状態が保たれていたので、免疫力がとっても強いのです。だからこそ52年間、病欠が一日もない、という驚異的なことができたのでしょう。

今月は、キースさんの身体の使い方について書きたいと思います。
毎日5日間、病院のベッドの上の患者さんにマッサージをする仕事では、身体の使い方に気を付けない腰を痛めます

衰弱しておられる方ほど身体を動かせないので、サロンのマッサージベッドでするようなレギュラーな体位にはなれません。
パジャマを脱ぐことさえできないことも多いのです。


また、病室のベッドは低いままでしなければならないときも少なくありません。
このような際、身体の使い方が正しくないとすぐに腰や肩、首がだるくなったり痛くなったりしてしまうのです。

ベッドが低い時は前かがみにならず、足を前後に大きく開き、前の膝は曲げ、後ろの膝は伸ばした状態で、背骨は出来るだけ垂直を保ちます。このポジションだと、重心も前後に動かしやすくなるため、上半身にはほとんど負荷をかけずに、エフルラージュができます。

僧帽筋の棘上部や、棘上筋、肩甲挙筋のような筋肉はそれほど大きくない筋肉です。上半身だけでマッサージしている人はこの筋肉を緊張させますが、出力パワーはさほど大きくなく、しかも、固いタッチになってしまいます。

下半身が良く使えている人では、大腿部や殿筋などの大きな筋肉が良く動いていて、身体の芯がしっかりと充実して安定しています。その結果、肩や首の筋肉は比較的リラックスしていても大きな力を出力できるのです。この状態でマッサージを行うと二つのメリットがあります。一つ目は、セラピストが疲れません。二つ目は、優しいけれど深い圧が入ります(圧を入れたければ)。また、セラピストは圧の調整幅が大きくなりますので、よりどんな相手にも対応できるようになります。

本当なら、エフルラージュやペトリサージュやニーディングを学ぶ前に、まず身体の使い方をしっかり習得出来るまで練習するのが理想なのです。
次回は、キース先生の患者さんへの向き合い方について書きます。

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さる6月、英国よりキース・ハント先生が来日、クリニカルマッサージの二日間のワークショップを開講しました。
今回で3回目となる講習会でしたが、前回よりもまして勉強になる講習会でした。
キース先生との最初の出会いは、1996年から10年間、毎年続いたJEAの英国アロママッサージ研修ツアーの中でした。

この研修ツアーは、現代の英国でオイルマッサージを初めて病院の患者さんに行ったマッサージ界のカリスマ、クレア・マクスウェル・ハドソン先生のスクールで一週間マッサージを教えて頂くと言うものでしたが、そのクレア先生の教え子が、ロンドンにあるロイヤル・フリー・ホスピタルで患者さんにマッサージを行っているのを毎回見学をさせて頂いていました。それがキース先生でした。

大柄の男性で、しかも、ピンクのTシャツを着た、とっても陽気で庶民的なキース先生は、日本人のアロマセラピストが考えるようなセラピスト像とはかけ離れたタイプの方でした。ですが、この方だからこそ、世界で他に類を見ない偉業を成し遂げられたのです。ロイヤルフリー病院では、昨年2018年一年間にキースさん率いる25名のセラピストチームがマッサージを行った回数は驚愕の36,000回でした!!

今月から何回かに分けて、そのキース先生からの学びをみなさんと共有したいと思います。
キース先生は、今年69歳になられました。昨年68歳で52年間務めたロイヤルフリー病院を退職されました。キース先生がロイヤルフリー病院に就職されたのが1967年、16歳の時でした。52年間の勤務年数のうち、最初の26年間はセラピストとは全く関係の無い、ロイヤルフリー病院施設内にある職員専用のスポーツセンターのスタッフとして働かれていました。
ところで、キース先生の偉業と言うのは、もちろんセラピストとしての偉業のこともあるのですが、そればかりではなく、働く人としての偉業もあります。それは52年間、一日も病気で欠勤したことがない!!と言う事です。それだけでも周りから「きみは人間じゃない!」と言われるほどなのですが、いったい、どうしてそれが出来たのか、毎年一回は風邪をひいたりして仕事を休むことがあるほとんどの人間にとって、とても不思議ですね。

キースさんはセラピストとして働き始めた後も、何年かはものすごいヘビースモーカーで、一日に60本煙草を吸っておられたそうです。やめたきっかけは、肺がんで末期の患者さんに煙草を吸っているところを見られ、肺がんの患者にマッサージをする君がたばこを吸うなんて、何を考えている!と怒られた事だったそうです。

さて、キース先生は「わたしは仕事をしたことがありません」とおっしゃります。それはどういう意味なのか、それは次回のお楽しみに。

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5月後半、ドイツまでシュワルツコフ・プロフェッショナルのお仕事をしに行ってきました。
ここは、ヘンケルという、ヘアケア商品を製造販売するグローバル企業の一部門で、ハンブルグにある商品開発研究所の中にあるトレンドラボという撮影所の中でのお仕事でした。

私は2年前、この会社が新発売するOil Ultime(オイルウルティム)というブランドラインのアロマセラピー・アンバサダーとして抜擢され、この撮影所で収録をしました。この会社では複数のブランドラインがあり、昨年売り出された、香りを売りにしたものがこのブランドです。

今回はさらにこのブランドラインが進化したので、そのプロモーション撮影でした。
私はその中で、美容師の方に、フィニッシングオイルを使ったハンドマッサージやヘッドマッサージの指導をしている、という風景や、オイルの使い方の説明、香りやタッチがヘアサロンのお客様にどのような良い効果をもたらすか、いかにリピーター獲得に役立つか、ということを英語で話したりしているところの撮影が目的でした。シリコンフリーだけど、べたつかないフィニッシングオイルは髪にツヤを与えてくれます。

自分の撮影時間は全部足しても2時間くらいでしたが、撮影は朝の8時ころから2日間みっちりあり、待ち時間が長かったのですが、クライアント役のモデルさんが美しすぎて、その撮影を見ていて飽きませんでした。ファッション撮影を生で見せていただき、面白かったです。

今回、撮影のメイキングビデオも同時に撮影していて、カメラやビデオのスタッフ、メイクさん、美容師さん、撮影責任者に至るまで、黒の服装で統一され、とてもブランドイメージを大切にしているということが伝わってきました。また、スタッフがドイツ人ばかりではなく、世界中から集められているというところはグローバルな会社であることを感じさせられました。ドイツ語、英語、フランス語が飛び交い、英語しかわからない自分が残念な感じでした。

シュワルツコフ・プロフェッショナルと言う会社は、日本にもありますが、一応別会社となっていて、Oil Ultimeという名称での販売は日本ではありませんが、ほぼ、同じものがHuile Arom(ユイルアローム)として一般消費者向けに販売されています。今回の新商品は来年一月にヨーロッパで販売が始まります。今回、お土産に今の製品をいただいてきました。シャンプー、コンディショナー、トリートメントクリームは、使ってみると普段自分が使っているものより優れていることがはっきりわかりました。

完成しましたら、またこのブログで公開します。

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Author / Kazue Gill

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アロマテラピーという言葉が日本で聞かれるようになってから四半世紀が過ぎましたが、近年、精油の扱いについて、精油学にも、人間の生理学や病理学についても、毒性学についても最低限必要な知識さえ持ち合わせていない人たちが、危ない精油を危ない方法で用い始めています。
それは、一部の、倫理を欠いた企業の無責任で巧妙な商法や、嘘と真実を見分けることが難しいネット上の情報をうのみにしてしまう消費者側にも原因があります。

そんな中、先日、東京でアロマテラピー界の重鎮、ロバート・ティスランド氏による実践版 精油の安全性ガイドの講演会に参加してきました。大変参考になるものでしたので、重要な部分のみになりますが、ここで共有したいと思います。

同じ精油を同じ方法で使用しても、使用する人の年齢や体質、既往症(特に皮膚疾患)、健康状態や精神状態、使用の方法や使用濃度によっても、刺激を感じたりそうでなかったりします。
精油は天然由来ですが100倍以上に濃縮されているので、自然の状態とは違う物質に変化しています。それも含め、「天然由来=安全」ではないのです。

たとえば、病院で処方される薬、ドラッグストアに売っている薬のどれもが、投与対象者によって禁忌も異なり、適正な投与方法や投与量、他の薬との相互作用などの注意点を守って使用しなければ取り返しのつかないことになる可能性があります。
精油もこの点については薬と全く同じなのです。なぜならば、投与された精油は体内に吸収され、肝臓で解毒されるという点で薬と同じだからなのです。
その理屈を理解していないのに精油を薬のように使うことは危険ですね。

薬は、「1日何回、何錠飲んでください、何日以上飲んでも効果が表れない時は使用を中止してください。」という指示が必ずありますが、それは少なすぎれば薬理効果が発揮されない、多すぎれば有害になるからなのです。
効果が発揮され、かつ、副作用が出ない、ちょうどよい量のことを「セラピューティック・ウィンドウ」と呼びます。
それを下回る量のことを「無作用ゾーン」と呼びます。つまり、効果が出ない量になります。逆に、セラピューティック・ウィンドウより多い量になると、有害反応が現れてくる「有害作用ゾーン」と呼びます。
また、それらを分ける境界線は使用する精油や投与対象者によって異なります。
精油も、このセラピューティック・ウィンドウの領域で使用しなければなりません。
また、精油ごとに毒性は異なり、その毒性の強弱が「危険性」の強弱となります。一方、その精油が有害反応を起こすかどうかの確率を「リスク」と言います。その確率は、

①危険性の強弱
②曝露の程度(濃度・使用量・使用頻度に依存する)
③使用する対象者や対象グループ

という3つの要素によって判断されます。
でも、正しく使用すれば精油を怖がる必要は全くありません。
それは、サンリツやソレイユ、スクールで20年以上にわたって何十万人という人たちに施術、使用してきた中で、精油による有害反応はほとんどなかったということによって証明されています。
ただ、誰に対しても、どのような使用方法をしても100%安全な精油は存在しませんし、精油アレルギーも存在するのは確かですので、コンサルテーションの際、危険信号を見逃さず、お客様のお話を聞く姿勢を持ってください。

また、誰に対しても、どのような使用方法であっても、100%安全な精油など存在しない、ということを頭の隅に置きながら精油を楽しく、効果的に、安全に使ってください。

私の夫は手が非常に乾燥する体質ですので、ハンドクリームが欠かせません。
手作りするのは面倒なので、出来合いのものを買おうと思うのですが、お値段や中に含まれるたくさんの化学物質名を見ると(私がプロデュースしたaroma’sのハンドクリームは別です)、やっぱり手作りに勝るものはないと、今でも夫用のハンドクリームも水虫予防のジェルも自分で作っています。
シアバター、蜜蝋、植物油、芳香蒸留水、精油だけのハンドクリームです。

Category / アロマコラム

Author / Kazue Gill

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ゴールデンウィークは久しぶりに10日間の休みをいただいて、ヒマラヤの国、ネパールにショートトレッキングに行ってきました。
ハービスプラザの3階にある「風の旅行社」の企画ツアーで、参加したのは私と夫、そして、関西から2名、千葉県から1名の5名で、ネパール人のガイド1名、サブガイド2名、ポーター3名の11名のグループです。
ビムタン
一日目は首都カトマンズからバンで西へ6時間、そのあと、ベシサハールでジープに乗り換えて未舗装のガタガタ道をダラパニ(1963m)まで6時間揺られていきました。遠くから見たら断崖絶壁にちょっとついた溝のような道もあり、そんな道の途中、私たちの道のさらに上に道を作る工事のため、ダイナマイトで岩を吹き飛ばしているところで少し足止めされました。
しばらくして大きな爆発音の後、直径2メートルくらいの岩が私たちの目の前を通って200メートルくらい下の川に落ちていくのを目にしました。すでにこの時点でスリル満点です。
30年近く昔、私と夫でこのベシサハールから、ポーターもガイドもつけずに徒歩で北に向かい、アンナプルナの北側を回ってくる17日間のトレッキングに行きましたが、そのとき通った5400メートルのトロン峠で、最近20名ほどが命を落としたとの話を聞き、私たちはあの時ラッキーだったと思いました。

 

今回は、ダラパニから毎日6時間から7時間の歩行を5日間行う、それほど危険ではない中級者向けのトレッキングで、シャクナゲの咲き乱れる5月の爽やかな山道を歩きました。ただ、標高が二日目にしてカルツェ(2700m)から一気に3710mのビムタンに向かい、その翌日にはマナスルを一望するポンカルタール湖4100mまで行くため、高山病の心配がありました。前のトレッキングから30歳近くも齢を取っているわけですから、用心して高山病予防の薬を飲み、血中酸素濃度と脈拍も毎日朝晩、ガイドの方が計測してくださり、おかげで高山病になることもなく、無事、トレッキングを楽しむことができました。ただ、高山病予防薬は、手足にしびれを感じる、頻尿になる、飲み終わってから後はいつもより浮腫む感じがあり、できればもう二度と飲みたくないと思いました。

 

美しいヒマラヤの雪山の景色が素晴らしかったのは当然でしたが、4日間ほどは電話もネットも通じない山奥で、お風呂にも入れない生活でしたが、これにより、こころのデトックスができました。皆様もぜひ、一度ネパールの雪山を見に行ってください。カトマンズではたまたま、チベタンシンギングボールの専門店を見つけ、一つ買うことができたのも良かったです。
チベタンボール

Category / その他

Author / Kazue Gill

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あけましておめでとうございます。
平素のご厚情に深謝し、皆様のご健康とご繁栄を心からお祈り申し上げます。
ギル 佳津江

虹

ウェルネス、という言葉をご存知でしょうか?
何歳になっても生き生きとして、元気で美しい身体を維持する、それが「ウェルネス」です。近年、運動・食事・メンタルヘルスの質と、病気や怪我の予防、若さ、脳の働きとの関連性が明らかにされてきています。たとえ忙しいストレスフルな環境にあっても、毎日を爽快な気分で過ごし、自分の夢を実現するために欠かせない心身のエネルギーに満ちた身体を持つことは可能です。

スパ

今、ウェルネスを習慣にしている人々が増えています。とくに、重要な仕事をしている世界のトップクラスの人々にとって、自分の健康管理は重要ですので、ウェルネスを実践しています。そのような方々が日本に訪れる際にはどのような宿泊施設に泊まるのでしょうか?それは彼らの健康習慣を続けられる宿泊施設です。その受け皿となっているのが、トップクラスのホテルスパです。一泊数万円以上するような高級ホテルにはスパ施設が必ずあります。
スパという言葉は、本来、温泉や鉱泉のことを指し、古代からハイドロセラピーやマッサージを受ける治療的な場所でした。日本のおばあちゃんたちが行く湯治場もその意味では本来のスパなのです。ただ、それが、次第にエステサロンのような場所を指すようになって、意味が変わってしまいました。
(ハイドロとは水のことです)

このような中で、今はウェルネス習慣のあるトップクラスのお客様の為のジムやスイミングプール、トリートメントサロンを総合的にスパとして位置付けるホテルでないと一流のお客様に選んでいただけない傾向が出てきました。
ところで、一流のお客様が利用されるスパで働くセラピストとは、どんな人たちなのでしょうか?
・健康と美についての知識が豊富
・様々な療法の高度な技術を持っている
・一流の接客マナーでおもてなしができる
・英会話ができる

 

スパ2

 
そうです、スパセラピストは美と健康のエキスパートであり、ホスピタリティあふれるマナー、お客様の健康の為に的確なアドバイスもできるコミュニケーション能力も問われます。だいぶ、ハードルが高い感じですね。そのため、そのような一流ホテルで必要とされるスパセラピストが今、とても不足しているのです。
JEA の母体であるサンリツは国内で一流ホテルのスパを運営しており、毎年、それらのスパのどこかがスパアワードでトップ10に入賞しています。
2018年はスイス・パーフェクションスパKIOI /ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町がトップ10に選ばれました。そして、この夏、沖縄にオープンする「ハレクラニ」のスパ運営を委託されました。
ハレクラニはハワイにある高級ホテルで、ウェルネスを求めるお客様に対応した高級ホテルなのです。
サンリツではこのホテルを始め、今後次々とオープンする国内の一流ホテルで勤務できるスパセラピストの採用と育成を行っています。JEA で培った技術と知識を生かして、あなたもスパセラピストを目指しませんか?
 
>アロマを学ぶなら ジャパン・エコール・デ・アロマテラピー

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Author / Kazue Gill

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国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟IFPAが日本の会員のみなさんに配布している
機関誌「インエッセンス」に「日本におけるクリニカルアロマセラピーについて」の記事が掲載されました。

記事のPDFはこちら>>

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また、IFPAアロマセラピストによる症例研究発表会も来年3月3日に開催されます。

会員以外もご参会いただけますので、アロマテラピーに関心のある方はぜひお越しください。

http://japan.ifparoma.org/ifpaosaka/
syourei_osaka2019

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Author / Kazue Gill

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命の尊厳
今から15年前、私は高槻日赤病院の緩和ケア病棟でのアロマセラピートリートメントを始めました。当時、ジャパン・エコール・デ・アロマテラピーに学びに来てくださっていた看護師さんが勤務していた病棟でした。その看護師さんにご紹介をいただいたのです。それまで、単発で緩和ケアとしてのアロマセラピーを行うことはありましたが、定期的に病院を訪問して行うというのは初めてでした。この頃、まだセラピストサービスソレイユも正式には発足していませんでした。
訪問を始める前に、その時の病棟長の先生に面談した時のことを今でも覚えています。とても優しそうな先生で(実際優しい先生でした)、お話の内容はほとんど覚えていませんが、今でも強く印象に残っているのが、その時、先生がオルゴール療法に興味を持っていることをおっしゃっていたのと、先生が私に質問されたことでした。「患者さんが死にたいって言ったらギルさん、どう思われますか?」と質問されたのです。そういう言葉が出るくらいの辛さを患者さんが感じているということですが、実は、この何年かのちに、私の父がガン治療を受けていた病院で、母もガンであることを告げられた日、帰りのタクシーの中で母は「もう、死にたい」と言ったことがありました。それくらい、精神的に追い詰められるのです。この質問に対し、わたしは「患者さんには自分の命をどうしたいのか、自分で決めることが許されていいと思います。たとえそれが間違いであったとしても、間違うこともその方に許されるべき自由だと思います」というような内容のお返事をしました。先日、亡くなった女優の樹木希林さんの言葉として、『死ぬ時くらい好きにさせてよ』というのがありますが、そのような意味です。尊厳死については、正しいかどうかは別として、命について自分なりの軸を持っているかを先生はお知りになりたかったのかもしれません。


セラピストとしての死生観
緩和ケアの患者様たちは死を目の前にされている方々です。アロマセラピストがその方々のもとへ行き、弱った身体に直接触れてトリートメントをし、コミュニケーションが可能な方とは会話もする。病院として患者様の命を支え、心をケアし、治療をしている現場に、海のものとも山のものともわからない人間が、国家資格でもない、アロマセラピストという資格でやってきて、そういう行為をすることを許可する、というのは、常識で考えればかなり大胆であり、患者様に害が及ぶ危険もはらんでいることだとは思いませんか? 
でも、それを許してくださったのがその時の病棟長でした。でも、きっと、完全に信用してくださるまでは一年くらい、様子を見られていたような気がします。
ボランティアとしてのネームカードをいただけたのが、一年くらいしてからでした。緩和ケア病棟の職員の皆さんは、何年も毎日のように看取りをされています。それにくらべ、そういう経験をしたことがない自分が、いきなりそんな現場に行って大丈夫なのか、心身の苦痛を持つ方々を前にして、取り乱さないでトリートメントができるか、不安を持ちながら施術初日を迎えたのを覚えています。
人間にとって、死とは必ずいつかやってくるもの、自分が愛する大事な人たちにも、そして自分にも。それがいつやってくるか、わかりません。突然やってくることもあります。
頭では理解できていても、感情的には普通の人間にとってはこのことを受け入れることは苦痛を伴うことです。お釈迦さまが、「生老病死」という人間の苦しみから逃れたくて修行を始めたくらいですから、とても辛いことなのです。


職業倫理
このところ、アロマセラピーの基礎とハンドマッサージだけをさっと学んで、いきなり困っている人の施術をしにボランティアに行く、という方が増えている気がします。私はここにとても疑問を感じます。たとえボランティアであっても、アロマセラピーの知識はもとより職業倫理や人間の心理のことなど、必要な事をきちんと学ばなければ、助けたいと思っている相手に逆に迷惑なことになったり、心を傷つけたりして、信用を失う可能性があるのです。それはアロマセラピストという職業の信頼性を落とすことなのです。英国のようにアロマセラピストが多く医療現場で活躍している海外では、医療や介護の現場にアロマセラピストが入るためには、かなり専門的な訓練を受けていなければ許可されません。日本でもそうしたプロセスが必要ではないでしょうか?

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Author / Kazue Gill

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