IFPA機関誌「インエッセンス」に掲載
国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟IFPAが日本の会員のみなさんに配布している
機関誌「インエッセンス」に「日本におけるクリニカルアロマセラピーについて」の記事が掲載されました。
また、IFPAアロマセラピストによる症例研究発表会も来年3月3日に開催されます。
会員以外もご参会いただけますので、アロマテラピーに関心のある方はぜひお越しください。
緩和ケア病棟でのアロマセラピー
命の尊厳
今から15年前、私は高槻日赤病院の緩和ケア病棟でのアロマセラピートリートメントを始めました。当時、ジャパン・エコール・デ・アロマテラピーに学びに来てくださっていた看護師さんが勤務していた病棟でした。その看護師さんにご紹介をいただいたのです。それまで、単発で緩和ケアとしてのアロマセラピーを行うことはありましたが、定期的に病院を訪問して行うというのは初めてでした。この頃、まだセラピストサービスソレイユも正式には発足していませんでした。
訪問を始める前に、その時の病棟長の先生に面談した時のことを今でも覚えています。とても優しそうな先生で(実際優しい先生でした)、お話の内容はほとんど覚えていませんが、今でも強く印象に残っているのが、その時、先生がオルゴール療法に興味を持っていることをおっしゃっていたのと、先生が私に質問されたことでした。「患者さんが死にたいって言ったらギルさん、どう思われますか?」と質問されたのです。そういう言葉が出るくらいの辛さを患者さんが感じているということですが、実は、この何年かのちに、私の父がガン治療を受けていた病院で、母もガンであることを告げられた日、帰りのタクシーの中で母は「もう、死にたい」と言ったことがありました。それくらい、精神的に追い詰められるのです。この質問に対し、わたしは「患者さんには自分の命をどうしたいのか、自分で決めることが許されていいと思います。たとえそれが間違いであったとしても、間違うこともその方に許されるべき自由だと思います」というような内容のお返事をしました。先日、亡くなった女優の樹木希林さんの言葉として、『死ぬ時くらい好きにさせてよ』というのがありますが、そのような意味です。尊厳死については、正しいかどうかは別として、命について自分なりの軸を持っているかを先生はお知りになりたかったのかもしれません。
セラピストとしての死生観
緩和ケアの患者様たちは死を目の前にされている方々です。アロマセラピストがその方々のもとへ行き、弱った身体に直接触れてトリートメントをし、コミュニケーションが可能な方とは会話もする。病院として患者様の命を支え、心をケアし、治療をしている現場に、海のものとも山のものともわからない人間が、国家資格でもない、アロマセラピストという資格でやってきて、そういう行為をすることを許可する、というのは、常識で考えればかなり大胆であり、患者様に害が及ぶ危険もはらんでいることだとは思いませんか?
でも、それを許してくださったのがその時の病棟長でした。でも、きっと、完全に信用してくださるまでは一年くらい、様子を見られていたような気がします。
ボランティアとしてのネームカードをいただけたのが、一年くらいしてからでした。緩和ケア病棟の職員の皆さんは、何年も毎日のように看取りをされています。それにくらべ、そういう経験をしたことがない自分が、いきなりそんな現場に行って大丈夫なのか、心身の苦痛を持つ方々を前にして、取り乱さないでトリートメントができるか、不安を持ちながら施術初日を迎えたのを覚えています。
人間にとって、死とは必ずいつかやってくるもの、自分が愛する大事な人たちにも、そして自分にも。それがいつやってくるか、わかりません。突然やってくることもあります。
頭では理解できていても、感情的には普通の人間にとってはこのことを受け入れることは苦痛を伴うことです。お釈迦さまが、「生老病死」という人間の苦しみから逃れたくて修行を始めたくらいですから、とても辛いことなのです。
職業倫理
このところ、アロマセラピーの基礎とハンドマッサージだけをさっと学んで、いきなり困っている人の施術をしにボランティアに行く、という方が増えている気がします。私はここにとても疑問を感じます。たとえボランティアであっても、アロマセラピーの知識はもとより職業倫理や人間の心理のことなど、必要な事をきちんと学ばなければ、助けたいと思っている相手に逆に迷惑なことになったり、心を傷つけたりして、信用を失う可能性があるのです。それはアロマセラピストという職業の信頼性を落とすことなのです。英国のようにアロマセラピストが多く医療現場で活躍している海外では、医療や介護の現場にアロマセラピストが入るためには、かなり専門的な訓練を受けていなければ許可されません。日本でもそうしたプロセスが必要ではないでしょうか?
IFPA カンファレンス in エジンバラに参加して
6 月9 日、10 年ぶりくらいでイギリス本部主催のIFPAカンファレンスに出席してきました。
↑IFPA 会長のカブリエル・モージェイ先生と
今、英国でのアロマセラピー事情がどうなっているのかを聞いてきたい、ということと、前日の8日には認定校ミーティングもあり、外国人会員として英国人の次に一番多い日本人の立場を守りたい、という気持ちもありました。
開催されたのはエジンバラというスコットランドの古都です。
年に一回、エジンバラフェスティバルという、舞台芸術の祭典が開かれ、世界からたくさんのアーティストが集まります。
また、ハリーポッターが書かれた町でもあります。(行くまで知りませんでしたが・・・)
5 人のスピーカーのどなたも素晴らしい内容でしたが、特にクリニカルアロマセラピーを実践されている、エジンバラのWesternGeneral Hospital とRoyal Infirmary という二つの病院で補完療法コーディネーターとして長年貢献してきたAngela Secretanさんの活動の紹介はとても良いものでした。
アンジェラさんの活動は大きく3 つ
①施術の提供(病棟だけではなく、外来がん患者の宿泊施設、 在宅でも)
②ガン患者さんのQOLを上げる製品の開発販売や在宅への人 材派遣を業務とする会社Lavender Touch の設立。
③広くアロマセラピーのサービスを提供するための人材育成やリサーチを行うシステムを作られました。一人の人が、この3 つを同時に進行させるというのは容易ではありません。たいがい、そのうちのどれか1 つ、よくて2 つしかできないでしょう。ガン治療の現場で患者さんが経験する様々な苦痛を知り尽くしたうえで、その方々が必要としているサポートを様々な側面から行っておられました。
①では病棟内で施術するだけではなく、放射線療法を受けるため、連続で何日も通院しなければならない場合、遠方からの患者さんは病院が用意した宿泊施設に泊まりますが、たった一人で心細い気持ちの患者さんを支えるためにアロマセラピーの施術がとても助けになるのです。訪問アロマセラピーも、田舎に住むガン患者さんへの派遣のシステムを構築されています。
②ではアロマスプレー、ディフューザー、アロマスティックといった製品以外にも、緩和ケアの患者さんには匂いの対策を行うブレンドを提供したり、また、ガン治療の副作用として発汗がひどい患者さん用に、竹の繊維で作ったパジャマを開発、販売しています。汗を良く吸って、しかも、乾きが早く、身体が冷えないため、着替える必要がない、といった製品です。
③では、ガン患者への専門アロマセラピスト育成のために得た研修費を、セラピストの実地研修を行って病棟で患者さんに無料で提供するための資金に充て、その施術データを調査や研究に活用し、アロマセラピーの有用性を証明していき、それを聞いた人たちがまた、専門的研修を受けにくる、という循環を生み出しています。とっても素晴らしいですね!日本でもこれに見習いたいと思いました。
↑ラベンダータッチの活動を紹介するセクレタン先生
↑香りそのものの効果の重要性を説くリヤノンルイス先生
↑英国の病院で使用されている精油の吸入器はとても人気があるそうです
今回、エジンバラに英国人の親戚がたまたま住んでいたことで、彼女の家に泊めてもらい、半日市内観光、会場や駅への送り迎えまでしてもらって、とっても助かりました!お土産の心配までしてくださり、買ってきてくれたりと。心からのおもてなしに感謝です。
↑ロイヤルボタニックガーデンの中の素敵な建物
また、今回、IFPA の熱心な理事たちとも顔を合わせて意見交換し、具体的なことを相談できたことも収穫でした。来年3月3日にハービスプラザで開催するIFPA会員症例研究報告会にも、本部からの資金援助をいただけることになりました。IFPA 会員の皆様、症例や、ご自身の活動のデータなど、共有してくださいませんか?
7 月からお申し込みの募集を開始します。「こんな内容はエントリーできるのですか?」など、ご質問はいつでもお受けしていますので、ぜひ、お問い合わせください。
<長崎県佐世保市>ネロリの蒸留体験
今年のゴールデンウィークは、スクールのスタッフや卒業生さんと一緒に九州の長崎県佐世保市で無農薬、有機栽培で柑橘栽培をされておられる農家の「Natural Boomgaard/ナチュラルブームガード」さんを訪ねました。
ちょうどこの時期は、ネロリの花が満開です。
▼ダイダイの畑でネロリの花を摘みます。
▼満開の時でしたので、たくさんの花が摘めました。
ネロリはビターオレンジ(Neroli bigarade)、日本ではダイダイと呼ばれるミカン科の植物の花びらを蒸留して得られる精油で、目的はネロリの花を摘んで、水蒸気蒸留して頂くというものです。
ネロリはその昔、イタリアの貴族が着用していた革の手袋に良い香りをつけて、臭みをマスキングする目的で用いらていたことは有名です。また、オーデコロンにも使用されていました。
ローズやジャスミンとならび、本当に幸せな気持ちにしてくれる香りのする素晴らしい精油ですが、とても高価な精油でもあります。精油は高価ですが、精油を得る際に生産される副産物の芳香蒸留水(フローラル・ウォーター)はお求めやすい価格で、化粧水として洗顔の後にふんだんにお顔に使うことが出来、そのたびに幸せな気持ちになれます!
無農薬、有機栽培で育てられたネロリの芳香蒸留水はとってもいい香りでした。
お花を摘んだあとは、とっても美味しいベジタリアンお弁当を畑でいただき、そのあと、蒸留をしていただくところへ移動です。
▼蒸留器にネロリの花を入れます。
▼オーナーの山辺さんが、ガラスの蒸留器でデモンストレーション蒸留をしてくださいます。
柑橘類の精油は、心を明るくする効果がありますので、心が落ち込んでいる時、暗い気持ちになっている時、ウツっぽくなっている時におすすめな一方、もともとネアカな方にも喜ばれる香りでもあります。
▼ネロリの精油成分が産生されている油胞が、光に透けて見えます。
もちろん、ネロリだけでも素晴らしい香りですが、私はグレープフルーツの精油とブレンドして使うのが好きです。このコンビネーションは私にとってまさに「天の香り」です。
嗅ぐだけでいい気分になれて、その影響で身体の調子にもよい変化が起きる、これがアロマセラピーの醍醐味ですね。
医療現場でアロマセラピーを実践するために
ジャパン・エコール・デ・アロマテラピー(JEA)のセラピスト派遣事業部(セラピストサービス ソレイユ®)は毎年、7,000回を越える施術を様々な医療や福祉の現場で行っています。このようなことが可能なアロマセラピースクールは日本には他にありません。もしかすると、世界にもないかもしれません。この活動を14年間に渡って維持、拡大できてきたのはなぜでしょうか?
それは、ソレイユのメンバーがプロ意識を持って行動しているからなのです。最近、アロマセラピーもマッサージも全く学んでいない方がハンドマッサージの方法だけ単発の講座で学んで即、病院などでボランティアとして施術を始めてしまう、というような話が耳に入ってきます。この国ではアロマセラピーは補完療法として医療現場で施行されていますが、病を持った方々、命にかかわる状態の方々の治療が行われている現場で自分が何をしているのかという自覚をそのような講座を受けただけの方が持っておられるのか、大変疑問です。
ボランティアだからそういう自覚が緩くていいという考えで現場に入ってしまわれると、アロマセラピー自体がこれからも永遠にボランティアでするもの、という認識をセラピストも医療施設側も持ち続けてしまいます。それはアロマセラピーにとって決して良いことではありません。
アロマセラピーにしろ、リフレクソロジーにしろ、その他の補完療法にしろ、医療施設でそういったものを実践するために学ぶべきこセラピストサービス ソレイユ®とはどれも一緒です。それらを図にまとめたものがこちらです。
見出しだけではわかりにくいものもありますが、機会があれば解説したいと思います。
JEAカリキュラムのモジュール1~3(特に3)、田村祐樹先生のサイモントン療法、黒丸尊治先生のホリスティック・コミュニケーションで学ぶことの中にちょっとずつ、織り込まれていることではありますが。こういうことは、精油の新たな薬理効果や使用方法なんかを学ぶことに比べるととても地味なことに思えますが、クリニカルアロマセラピーを医療施設で実践するには、むしろ、こういったことの重要性がはるかに高いということをJEAの生徒の皆様には知っておいていただきたいです。
シュワルツコフ・プロフェッショナル「Oil Ultime」
ドイツの多国籍企業ヘンケル社から突然メールでコンタクトがあったのは、2017年夏の終わり頃でした。
それはヘンケル社の事業部の一つ、シュワルツコフ・プロフェッショナルからの仕事のオファーでした。
シュワルツコフ・プロフェッショナルは1903年に薬剤師のハンス・シュワルツコフが、ドイツで初めてのパウダーシャンプーを発売して以来、100年以上の歴史を持ち世界中の美容室で評価され、数多くのトップヘアスタイリストに愛用されているヘア・コスメティックブランド。
そのブランドが2018年1月15日に日本以外の世界で発売を予定していたのが「Oil Ultime」でした。
コンセプトは「身体の中と外から美しくなる、アロマセラピー効果」。
この商品はヘアサロン向けのもので、私はシュワルツコフ・プロフェッショナルを使用している世界の美容師に向けて、Oil Ultimeを使うことによるアロマセラピーの効果や、活用法を提案するアロマセラピー・アンバサダーのお役目をいただいたのでした。
日本中のアロマセラピストの中から私を選んでいただいたのはとても光栄でしたが、
「西洋で生まれたアロマセラピーなのになぜ日本人?」と思いました。
私はストレートにその疑問を担当者にぶつけてみたのですが、「心身一如」のアプローチは彼らにとっては伝統的には「東洋的」だとのことでした。なるほど!
去年の11月にドイツのハンブルグにデモ動画の撮影のために行きました。その動画がこれです。
動画の中には出てこないのですが、サロンへの使用マニュアルには、私が書いたアロマセラピーの作用機序や、ヘッド、ハンドマッサージの効果などが掲載されています。
シュワルツコフ・プロフェッショナルが私を選んでくれた理由は、私がホームページなどで伝えている、どんなときにも心のケアが大切であるという考えが彼らのニーズにマッチしたからではなかったかと思います。人間は心の生き物です。
心がすべてを変える、と言っても過言ではない気がします。
心に栄養を与えることが、人の幸せ、健康、美、生きるエネルギーになるのだと思います。
私は、日本ホリスティック医学協会認定のホリスティック塾インストラクターもしているのですが、ホリスティックな考えを突き詰めていくと、どうしてもここに行きついてしまうのです。
これからも、それを基本に生きて行こうと思います。
あけましておめでとうございます。
2018 年の始めにあたり、セラピストの役割について改めて考えてみたいです。
健康はどうやったら維持できるのでしょうか?
病気にならないことが健康なのでしょうか?必ずしもそうではないと思います。
たとえば、日本の整体の草分け、野口整体では、風邪は病気というよりも、身体の調整をしていると考えます。身体に生じたゆがみが、なぜか風邪が治った後には無くなっているのです。
身体を冷やしたり、不摂生をすれば、身体にゆがみが生じるので、不摂生をしたり身体を冷やすと風邪をひく、と普通は考えられてしまうのかもしれません。
身体には常に、治ろうとする自己調整能力があるので、ゆがみがひどくなってくると、自然にその調整をするために風邪をひくのだと考えれば、むやみに薬を飲んだりして熱を下げたりすることは、その調整を途中でやめさせてしまうことになり、身体のゆがみが残ったままになり、身体の調子が悪くなっていくのだそうです。
身体がゆがむことは、神経伝達、血流、リンパの流れなどが妨げられ、いたるところの臓器や組織が衰えていくことにつながるのです。
私たちセラピストは、身体に本来備わった「治る力、自分で調整をする力」を最大限に引き出すことを目指すべきでしょう。自分で調整する力とは、どこかの筋肉がこわばってきたら、無意識に伸びをしたりする反射のことです。
また、筋肉のこわばりは身体の関節の微妙な動きを止めてしまいますので、内臓にまで影響を与えてしまいます。身体の筋肉がこわばってきたら、猫や犬のように、自然に伸びが出るような状態が人の本来の姿です。
治る力、自分で調整する力を引き出すのに一番良い方法は「心身を緩める」ということです。
生まれたての赤ちゃんのような状態に身体をリセットしてあげることです。
リラックスという言葉は「re = 再びlax= 緩む」という二つの部分からできた言葉ですので、人のもともとの状態、すなわち、緩んだ状態に身体が戻るのをトリートメントや精油の力でお手伝いす
るだけであとは身体が自分で調整をしてくれます。
リラックスした状態に一度戻してあげることで、次にこわばりが出てきたときに、それを違和感として感じることができ、自然に自分で調整できるようになります。
そして、風邪も、自然の身体の調整だと思って、薬で抑え込まないことです(高齢者や身体の弱っている方は別です)。
この一年、皆様が自分にとって必要なことが実現できる年になりますように。
のんびりしたり、まったりすることも時には必要です。
たかが、ではないお腹のワークの重要性! 知っていましたか?
アロマセラピーサロンなどでは短いコースだと必ず省略されてしま
日本では一般的にマッサージと言えばコリほぐし、という認識が強
また、一般的に言って、お腹が凝っていると感じている方はあまり
ただ、お腹は動物にとって、とても無防備な場所で、動物の急所て
ですので、無意識のうちにお腹のワークをサラッと済ましてしまう
お腹は直接的には消化、吸収をする臓器のあるところですが、チャ
まず、怒りに関しては、もっとも強い感情は、子供の頃からの、親
特に、親自身が大変な努力をして、その結果、社会的に成功して自
自分がそのままの自分で親に受容されない、ということは辛い。
親を求める動物的な欲求が強ければ、自分を否定する親に対する怒
先日、イギリスの病院で何十年もの間、患者さんのマッサージをし
彼の働く病院には拒食症の若い患者も多く入院してきます。そして
拒食、食べることを否定する、それは生きようとする原始的な身体
親のOKだけが自己肯定をもたらすわけではないのですが、幼少期
この傷に対する一番の薬は、自分も親もも「受容」することかもし
セラピストからの肯定的なタッチがそれをサポートしてくれるでし
そして更に、お腹のトリートメントは生理学的に重要な2つの効果
それは免疫機能と水分吸収機能の向上です。
日本リンパ学会会長で信州大学医学部特任教授の大橋俊夫先生のご
また、食物から最後に水分を吸収するために、大腸の粘膜には沢山
水分の吸収を行うため、大腸は浮腫みやすい臓器なので、リンパ管
大腸の蠕動運動が鈍いと水分が血管やリンパ管に吸収されにくくな
他の組織でも同じですが、浮腫んだ組織の間質は汚れてしまい、細
というわけで、お腹を優しくトリートメントすることは、副交感神
正常に動く腸は間質に無駄な水分も汚れも溜まらず、免疫力も保た
お腹のワークの重要性、高いですね!
精油の世界、香りの世界
精油の世界、香りの世界は本当に奥深い!と改めて思います。
アロマテラピーを始めてから24 年目となりますが、まだまだ発見すべき世界がそこに広がっていますね。
特に精油のブレンドで醸し出される新しい香りには驚きます。組み合わせは無限にあるわけなので、いつどこで、素晴らしい香りができるかわかりません。香りのブレンディングの基本というものがあり、これを無視して薬理効果だけを考えるなら、とんでもない香りを作ってしまいます。でも、たまにはそのルールを破ると思わぬ良い香りができ上がるのです。最近、アロマのお客様のトリートメント用に作ったブレンドがこれにあたります。
●ネロリ 2 滴
●ローズ 1 滴
●ユーカリラディアータ 5 滴
●ベルガモット 2 滴
●オレンジ 4 滴
●マジョラム 2 滴
ネロリ王女とローズ女王をぶつけるだけでも、主役争いが起きそうな雲行きの上に、そこにちょっと毛色の違い過ぎる山男のユーカリラディアータを5 滴も持ってくるか?と思うのが普通なのですが、そこにベルガモットちゃんとオレンジ君が「まあまあまあまあ、仲良くやりましょう」、と楽天的に割って入り、その場をうまくまとめて融合。
そして、それだけだとフワフワと漂い、昇天しそうなところをマジョラム女史がぐっと引っ張り下ろしてグラウンディングしてくれています。このお客様は、苦手というか、身体に反応が出てしまう精油が結構あって、体質や症状にはピッタリでも、使いたくても使えない精油があるという縛りがありました。縛りがあるということは私にとって非常にやりがいのあるものになるのです。むしろ、それでかえって良いものになったりするのです。
皆さんもぜひ、ブレンディングの世界を探検してください!
キース・ハント先生の来日講習会・講演会が終了しました。
9月30日、10月1日にキース・ハント先生の来日講習会・講演会が開かれました。
24名の講習会参加者の方々は、すでに去年のIFPA主催のロンドンツアーでの研修や、4年前のIFPAカンファレンスの時の大阪校での講習会に参加された方も、そして、今回初めてという方もおられました。
看護職、医師の方も興味を持って講演会を聞きに来てくださいました。
ヨーロッパでも有数のロイヤルフリー病院はロンドンにあり、様々な難病、感染症も扱う、大きな総合病院です。
その病院で17歳の時から職員(スポーツセンターマネージャーとして就職)として勤務を始め、25年ほど前に、触れる事の力、マッサージの意義に目覚め、JEAの信条の源である、クレアマクスウェル・ハドソン先生に師事、職員のマッサージをボランティアで行っていたところから、次第に病棟の医師から患者にマッサージをしてほしいと頼まれるようになり、いつしか、スポーツセンターマネージャーから、補完療法チームリーダーとして勤務するようになりました。今年で勤務52年目の今年、年間施術回数は34,000回、25名のセラピストで行ってますが、キース先生はこの間、一日も病気で欠勤したことが無いという、驚愕の記録の持ち主です。
「仕事を仕事と思っていない、自分のやっていることが大好きだから!」と満面の笑顔でお話しされるキース先生は、“歩くセントラルヒーティング”と言われるほど、暖かい手をしておられます。毎日一人のセラピストが18名の患者さんを施術するため、セラピストのセルフケアは重要です。マッサージの身体の使い方も、やはり正しく出来ています。
ロイヤルフリー病院で施術をするセラピストの11名は有償、残りがボランティアの方々です。経費やその方々の報酬は、ロイヤルフリー病院への寄付金から支払われています。もちろん、寄付金ですから、必ずいつも潤沢という訳にはいきません。そこで、キース先生は寄付金集めのためにも奔走されます。今回の講師料もすべて、寄付金に回されます。キース先生は1ポンドも貰っていません!!!
患者さんは、医師が認めれば毎日マッサージを受ける事が出来ます。それも無料で!
また、自分の担当した患者さんで亡くなられた方のお葬式にも行かれますし、退院された患者さんや遺族の方々との交流も続けておられます。経過観察で外来で来られる方にもマッサージを行っています。
こんな夢のようなことがイギリスのどこの病院でも可能なわけではなく、世界を探しても、ここまで患者さんがふんだんにマッサージを提供してもらっている病院は他にはありません。ひとえに、キースさんの情熱Passionがあってこそ実現しているほぼ、ミラクルなのです。
キースさんは光り輝く弥勒菩薩の様な方です。講習会の間中、教室は愛のオーラで満たされていました。「心でつながる」ために、そして、患者さんの反応を見逃さないために、施術中はできる限り「アイコンタクト」をしたまま、施術をします。
医療施設の中でマッサージを行うことをクリニカルマッサージと呼びます。当然、そこには人の生死にかかわるたくさんのことが起きていますので、その中でマッサージセラピストとして活動するうえにおいて、数々のシビアなルールも存在し、それを破ってしまったら、いままで何年貢献してこようが、スパッと切られてしまう可能性があることを常に忘れずに仕事をしています。
セラピストがすべきこと、すべきでないこと、それを明確にし、境界線(けじめをつけること)を越えず、しかも、医療スタッフとのチームワークは必須で、それを守りながら活動してきたことが、25年以上にわたってキース先生がマッサージを続けて来られた理由です。患者さんに、そして医療スタッフに「信頼」してもらうためにすべきことをして来られたのです。
私も以前の講習会、ツアー、今回の講習会に通訳として、オーガナイザーとして関わらせて頂き、何回もキースさんのマッサージを見て、お話しすることも聞いていますが、それでも、今回、さらに理解が深まりました。そして、キース先生、JEAの講師も生徒さんも、みんな、クレア先生のエッセンスを受け継いでいるクレアチルドレンなのだということも、改めて感じたのでした。
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