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2018September05
病院でも使用されるアロマテラピー
アロマテラピーとは
アロマセラピストという言葉自体は多くの人が知っており、ぼんやりとしたイメージはあるでしょう。しかしながら、はっきりとどういうものか答えられる人は少ないです。なんとなく香りに関する仕事をしている人というイメージの人が多いのではないでしょうか。アロマテラピーを直訳すると芳香療法になります。アロマテラピーに香りのイメージをもつのは間違いではありませんが、それは半分の意味です。実際は植物から抽出した香り成分であるエッセンシャルオイルという精油を使って、心身のトラブルを穏やかに回復し、健康や美容に役立てていく自然療法と定義されています。実際に香りを使って治療に携わるといっても、ピンとこないかもしれません。香りには、気持ちをすっきりさせたり、穏やかにさせたりと、精神面に働きかける効果があります。ストレスの多い現代社会では、ストレスが原因で精神的な病にかかったり、体調を崩したりしてしまうことが珍しくありません。そういった病を患っている人や、病とまではいかないまでも、苦痛を感じている人たちを、香りやタッチングでリラックスさせたりリフレッシュさせたりする健康療法がアロマテラピーです。植物が持つ香りを、心身の癒しに使うという発想は古くから存在していたもので、実際に効果があることも認められています。現代では科学技術の発達によって、具体的にどんな香りが、どのような効果をもたらすのかということまで詳しくわかるようになっていますので、状況に応じて使い分けることが可能となっています。直接治すというだけではなく、病気を抱えている患者の倦怠感や痛みなどの症状を緩和するという効果もあるので、病院でも取り入れられています。患者の症状に適した精油を選定して芳香によるリラックスする空間を作ったり、エッセンシャルオイルを使いながらマッサージを行ったりと、利用方法に関してはさまざまなものがあります。
アロマテラピーと病院での医療
最近では臨床においてアロマテラピーを取り入れている病院もあり、患者や付き添いの家族の不安を軽減したり、リフレッシュしたりする効果をもたらしています。アロマテラピーを通じて痛みや倦怠感を緩和するという効果もあるため、非常に重要なポジションとなりつつあります。最近では看護師をしながらアロマテラピーの資格を取り、臨床の場に活かしているという方も増え、活躍の場が広がっています。 また、産婦人科でもアロマテラピーを取り入れる病院が増えており、精神状態が不安定になりやすい出産前後に、妊婦さんのこころをやわらげる効果があります。出産直前には陣痛緩和を助けるブレンドオイルなどを利用して、痛みの緩和とリラックス効果をもたらすこともできます。産婦人科では妊婦さんが安心して出産できるように、病院独自のサービスを行っているところがたくさんあります。アロマテラピーをその一環として取り入れているところは多くなっており、専属のアロマセラピストや、資格を持った看護師が常駐している病院もあります。そのため、効果の高さも広く認知されるようになってきました。さらに、ホスピスなどの緩和ケア病棟でもアロマテラピーが導入される場が増えています。アロマを使ったマッサージは、精神的なリフレッシュだけではなく、手足のむくみや皮膚の乾燥、体のだるさなどにも効果があります。過ごしやすい空間を作る上でも、非常に高い効果を発揮するものとなっています。
アロマテラピーの効果
具体的にどのような香りが、どのような効果を持っているのでしょうか。人が香りを感じる仕組みは、香りの成分を呼吸とともに鼻に入れ、鼻の嗅粘膜から嗅細胞、さまざまな神経を通って脳へと達し、香りを感じるというものです。アロマテラピーで用いられる精油成分は皮膚から働きかけるということも分かっており、病院でも使用されるようになりました。免疫力に関係するMK細胞活性値を上昇させたり、エストロゲンの濃度を増加させたりする他、メラニン生産を抑制したり、副交感神経を高めて動脈機能を改善したりと、さまざまな身体への影響を与えるものとなっています。このように、香りには具体的に人体に働きかける効果があることが分かっています。ただ良い香りがしていい気持ちになったというだけではなく、実際に人体に良い影響を与えるものといえます。用途に合わせた精油を具体的にいくつか紹介します。まず、集中力を高めたいときには、ペパーミントやレモン、ユーカリ、ローズマリーが適しています。眠れない時などに気持ちを落ち着けて入眠を促進する効果があるのが、カモミールやラベンダー、ネロリ、マージョラムです。やる気を出したいときにはクラリセージやグレープフルーツ、ジャスミンがいいとされています。元気がない時、元気を出したいときにはグレープフルーツやカルダモン、ローズマリー、レモングラスが適しているとされています。自分の気分や体調に合わせて、適した精油を選んで気分転換してみるといいでしょう。
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