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2012January14
1月◇マンスリー講師ブログ◇
皆様、こんにちは!JEA講師の西村です。
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2012年がスタートしました。
皆さん、本年もどうぞよろしくお願いいたします。.
今回は新年にふさわしい話題で
和のアロマテラピーとも言える「香道」について少しお話します。
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京都には寺院、神社が古くから建立され
東山文化の中で茶道や華道や能が発展してきました。
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その流れの中で「香道」は香木を使用し、組香(香り当てゲーム)として現在も受け継がれています。代表的な香木はみなさんご存知の「白檀」(サンダルウッド)や
「沈香」(じんこう)です。.「白檀」は生木ですが、「沈香」は自然の偶発的な要因によって
樹脂化され、千年~千五百年の長きにわたり保存できるという
とても不思議かつ貴重な物質です。..沈香の中では、昨年公開されていた東大寺正倉院の御物
”蘭奢待(らんじゃたい)”が特に有名です。
歴代の偉人、織田信長や明治天皇が切り取ったという銘香です。
.香道では香りを嗅ぐといわず、香りを”聞く”といいます。
組香では、このような香炉を使いその上に香木をのせ
香りを楽しみます。.
.中には火のついた香炭団(こうたどん)が活け込まれています。
この熱で、香木の香りをたたせます。
直接香木を火にかざさないように銀葉(ぎんよう)という
薄いプレートをのせています。.
こちらは火道具、お香を炊くときに使用する道具です。.
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香炉の灰には10本ずつ五面に灰筋を入れます。
香炉の中を宇宙にみたてているのだそうです。
これを考えた日本人はすばらしいですね。.
組香としてさまざまな香りゲームが行われますが
3~5種類の香りの何番目と何番目が同じかということを答え
競い合います。.
答えはこのような図柄で表すこともあります。
こちらは源氏香の図。着物や和菓子のデザインとしても利用
されています。.
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図柄の縦の線が1~5番目の香りで、香りが同じものは
横線でつなぎます。このゲームでは52種類の答えがあり
各回答には紫式部が書いた『源氏物語』の各帖の名前が
「空蝉」「花散里」等のようについています。.答えが当たった方のうち一番上座にいる人に
記録紙(答えを記録した紙)が進呈されます。
.香席では雑談などは慎み、静かに香りを聞きます。
香りを聞くのは3~5回までと決まっていて
精神集中して香りを味わいます。.
数年前から精神科のドクターがデイサービスやリハビリの一環と
して香道を導入されたりしておられるそうです。.
精神集中ももちろんですが、香りの効果でも気持ちが
落ち着いていくのでしょうね。.
わたしも20年前に、アロマテラピーと同時に香道を習いに行きましたが、奥が深く、また精油を楽しむ時とは一味違う
ぴんと張った緊張感に包まれたものです。.
精油より柔らかで、表情をどんどん変えていくお香の魅力に引き込まれました。
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皆さんも機会がありましたらぜひ和のアロマ
香道を体験なさってみてください。.
京都の香木店では香道体験なども行われていますので
ご興味のある方は調べてみてくださいね。.今年も皆様が香りに包まれ、心豊かで明るい1年になりますよう
お祈り申し上げます。.
JEA講師 西村明美.
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