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2024October09
【新型コロナウイルス感染時の嗅覚異常】松尾先生
JEA講師の松尾です。
やっと少し秋を感じられるようになりましたね。
木々の香り、花の香り、風の香り、いろいろなものを楽しめそうです。今回はアロマセラピーにとってとても大切な嗅覚の恩恵について
自身が体験した新型コロナウィルス(COVID-19)感染時の嗅覚異常を通して
感じたことをまとめてみました。いわゆるコロナ禍の3~4年は感染しなかったのですが、
初めて感染したのは今年6月のことでした。一般的に言われる風邪の症状と激しい喉の痛みが主で
熱は少しいつもより高いかな程度でした。嗅覚がなくなったのは発熱の日から数えて5日目。
それまでのほうが症状的には辛く、喉の痛みがましになったかなという朝でした。なぜ気づいたかというと、職業がら気にしていたこともありますが、
毎朝晩、ローズウォーター(ローズ生体水)を顔にスプレーするので
5日目の朝、全く香りがしないことにすぐ気がつきました。
4日目の夜までは香りがはっきりしていたのです。嗅覚異常は回復期に起こりやすいと聞いていましたが、やっぱりそうだなと。
「これはまずい・・・」と思いすぐさま精油を取り出しました。まずは持っている精油を全部嗅いでみる。
ほとんどの香りがわかりませんでした。かなりショックでした。とはいえ、せっかく精油があるのですから、
すぐさまトレーニング開始です。一般的には、
フローラル系(ローズなど)
柑橘系(レモンなど)
森林系(ユーカリなど)
スパイス系(クローブなど)と言われますが、私はとりあえず全部を嗅ぎ、そこから絞っていきました。
なぜかというと、かすかにでもわかる香りがあるというのがとても救いだったからです。1日目、かすかにわかる香りがありました。
それは甘い香り。安息香とローマンカモミール。
通常わかるレベルを10とすると1程度。
ユーカリラディアータとラヴィンサラが0.5程度。かなりかすかです。それからは安息香とローマンカモミールを心の支えに他の香りのレベルを計る毎日。
精油瓶を直接鼻の下に持ってきて数秒嗅ぐのですが、
通常なら強すぎるはずが全く香らないのですから不思議。
勢いあまって鼻から吸い上げてしまうのではないかと思ったぐらいです。
(危険ですから絶対にしないように)この間、食べ物の香りもせず、なんとなくわかるのはやはり甘みと少しの塩味。
私は普段あまり賞味期限を気にせず、視覚と嗅覚で判断しているのですが、
さすがにこの時は嗅覚が働かないので、多くのものを処分せざる得ませんでした。あらためて、普段の生活の中でいかに嗅覚が大切で、
生活に彩りを与えてくれているかを実感しました。
そして嗅覚が本能的なもの、生きていくということに大きな役割を
果たしてることに納得しました。精油に話を戻しまして、、、
しばらく続けて、次に香りがかすかにわかってきたのは、
ラベンダー、ローズマリー、オレンジで0.5程度、
ゼラニウム、ローズが0.1程度。朝、夜と1日2回トレーニングをしていましたが、夜より朝のほうが香りがしました。
そして発熱から9日目(嗅覚をなくしてから5日目)の夜、回復の兆しがありました!
10ではないですが、5~7レベルまで一気に上がったのです。
この瞬間、「戻る!」と初めて自分でも確信しました。実際に全ての精油がレベル10まで戻ったのは
発熱から13日目(嗅覚をなくしてから9日目)でした。多くの場合、何もしなくても嗅覚は回復すると言われていますが
まれにある種の香りがわからない状態が続く場合もあるようです。今回も精油で戻ったかどうかはわかりませんが、
普段から香りが身近にあったおかげで早く気づき、
自分なりにトレーニングできたことはよかったかなと思っています。そして何より香りが嗅げることの恩恵をとても実感できたことが大きな経験となりました。
私は医療機関でのアロマセラピストの活動が多いのですが、
症状が重篤であればあるほど、香りに喜ばれる、反応されるケースをたくさん見せていただきました。皆さまや周りの方々にも様々な形で香りの恩恵が届くことを願っています。
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