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2018September06
リンパ浮腫とその治療
リンパドレナージとは
はじめに、「リンパドレナージ」の「ドレナージ」について。
英語で、排水の意味を示す「ドレナージ」ですが、医療では体内に溜まった血液や滲出液などを体外に排泄することを指します。美容を目的としているところでは「ドレナージュ」(フランス読み)と表現していることが多いため、一般的には「ドレナージュ」の方が聞き馴染みがあると感じられる方も多いと思います。しかし、MLDトレーニングセンターで学ぶ手技は、美容のみを目的としない、医療分野でも導入が進んでいる技術となりますので「ドレナージ」と言います。
次に、「リンパドレナージ」の「リンパ」について。
身体の中には、動脈と静脈のほかに「リンパ管」と呼ばれる管があり、リンパ管は全身の皮膚のすぐ下に網目状に張り巡らされていて、このリンパ管の中には「リンパ液」という液体が流れています。リンパ液は、タンパクや白血球などを運びます。また、腋窩(えきか:わきの下)や、首の付け根、そけい(脚の付け根)などには、リンパ節という豆のような形をした組織があり、感染やがんが全身へ広がることを抑える役割を持っています。がんの治療において、手術でリンパ節を取り除いたり、放射線治療によってリンパの流れが停滞することで、生涯にわたり腕や脚が浮腫むことがあります。このむくみをリンパ浮腫といいます。リンパ浮腫とその治療
日本では、年間、約1万人がリンパ浮腫を発症しています。発症率は乳がん術後で10%、子宮がん術後で25%と言われています。リンパ浮腫患者の90%は女性と言われています。日本人の乳癌罹患率は14人に1人と言われていますので、そのうち10%がリンパ浮腫を発症するのであれば、日本人女性の140人に1人が上肢のリンパ浮腫を発症することになります。
子宮がん発症率は74人に1人と言われていますので、そのうち25%がリンパ浮腫を発症するのであれば、日本人女性の296人に1人は下肢のリンパ浮腫を発症する計算になります。
この二つを合わせると、ざっくり140人に1.5人ほどの日本人女性がリンパ浮腫を発症する計算になります。
リンパ浮腫は一度発症したら、一生付き合わなければならないものです。
治療法として患者が受けることができるものとして、現在はリンパ管静脈吻合手術、リンパ管やリンパ節の移植手術などの外科手術、保存療法(CDT:複合的療法※)、どちらの治療法を選択したとしても、100%もとに戻ることはありません。再生医療の試みも始まっているので、将来的には治るかもしれませんが、今はまだ、完全に治癒することはできません。
ですから上手に浮腫みとお付き合いしていかねばなりません。しかし、早めの治療開始や管理で、ほぼ、正常の状態を維持することはできます。大事なのはできるだけ進行していない時から、すべきことを知り、行動することです。
リンパ浮腫治療を行っている医療機関で経過を観察しながら、少なくとも、圧迫療法は一生続けなければなりません。時々さぼるのは大丈夫ですが、完全にやめてしまうと悪化します。
町のアロマサロンやマッサージサロン、整骨院などで受ける普通のマッサージは、正しいアプローチで行えば、心の癒し、健康増進としての価値もあり、軽度のリンパ浮腫であれば一時的に少し改善することもあります。ただし、それらをもってしてリンパ浮腫治療の代わりにはならないことを肝に銘じておかねばなりません。エステサロンなどで行うリンパドレナージュ、リンパマッサージ、スリミング目的のバンデージング、強いマッサージはリンパ管やリンパ節が正常に機能していて、血液の循環障害がない場合のみ行っても安全ですが、リンパ浮腫治療としては決して行わないでください。※リンパ浮腫の標準的治療『複合的療法CDT(Complex Decongestive Therapy)』とMLD
CDT、複合的療法とは、様々な理学的療法を組み合わせ、患者自身のセルフケアとともにリンパ浮腫をコントロールするアプローチの治療法です。この中で用いられるMLD、すなわち、マニュアル(用手的)リンパドレナージ(リンパ排液)の開発者はデンマーク人のエミール・ボッダー博士です。
1932年、エミール・ボッダー(Emil Vodder)博士が世界で初めて、Manual Lymph Drainageを開発しました。
1960年代に入り、ドイツ人の医師、フェルディ(Foldi)、アズドンク(Asdonk)、オーストラリア人の医師、キャスリースミス(Casley-Smith) がボッダー式MLDの研究を始めました。
1967年にはアズドンクが2万人の患者を対象としたボッダー式MLDの臨床研究(ドイツ)を行い、ボッダー式MLDの作用、臨床での適用、禁忌を発表しました。その後、ドイツでMLDが保険適応となりました。1974年、ボッダー博士の直弟子であるギュンター・ウィットリンガーによって、オーストリアに世界初のリンパ浮腫クリニック Lymphedema Therapy Centerが正式に設立されました。リンパ浮腫患者が避けるべきこと
リンパ浮腫患者が避けるべき行動の中にはろ過を増やす行為、すなわち、浮腫みを悪化させる行為があります。たとえば、「患部を熱する」「患部を弾性着衣や弾性包帯などで圧迫せずに激しい運動をする」「患部をむやみに強くマッサージする。」など。
リンパ管には交感神経の働きによる自律収縮能力があり、安静時、1分間に数回の収縮をしているが、必要に応じ、少なくともその20倍の収縮スピードでリンパを輸送できることが確認されています。そのため、間質圧は少し上がっただけでリンパ流量は20倍に達し、それ以上、圧が上がっても、リンパ流量はそれ以上増加することはありません。すなわち、2mmHgを越えてどれほどマッサージの圧を強めても、リンパ流量はそれ以上増えることはなく、逆に、圧を加えれば加えるほど、血管内の静水圧を高める結果となり、毛細血管からのろ過だけが増加し、浮腫みを悪化させていくことになります。強いマッサージはリンパ管の輸送スピードも高めますが、同時にろ過も促進してしまいます。リンパ浮腫の起きている部位を風呂の浴槽にたとえるなら、強い圧でマッサージすることは浴槽の栓を抜くと同時に、水道の蛇口を全開にして浴槽に水を注ぎ続けることに等しく、合理的ではありません。
ボッダー式は水分が主となるやわらかい浮腫では非常に弱い圧で施術を行います。よって、ろ過量を増やさず、リンパ管の輸送スピードだけを20倍にするために効果が高くなります。ただし、線維化を起こして硬くなっている部位には硬化した皮膚を柔らかくする手技や、強い圧の手技も行います。
リンパ浮腫の治療法
リンパ浮腫の治療法『複合的治療CDT(保存療法)』は、①MLD(リンパドレナージ:用手的療法)と②圧迫療法で構成されています。
MLD
①MLD(リンパドレナージ:用手的療法)は、日本では2016年から保険収載されました。
患肢に溜まった水分を排液領域の正常に機能しているリンパ管がある隣接する領域へと誘導していく手技療法です。何十年も前からCDTというリンパ浮腫治療法が行われていたヨーロッパなどでは、ボッダー式から派生した、フェルディ、アズドンク、レ・デュック、キャスリースミスなどもMLDメソッドとして医療機関で採用されてきました。
日本ではMLDを含むCDTが医療として使用されるようになってから十数年と日が浅く、これらのメソッドを教える資格を持っている認定講師も少なく、必ずしも正しい方法が学べるわけではなく、リンパ浮腫療法を行う医療従事者の技術や知識レベルには現在かなりのばらつきがあります。また、セルフケアとして患者自身が行うリンパドレナージ(SLD)もありますが、浮腫軽減の効果があるというエビデンスがないため、近年ではあまり推奨されなくなっています。
圧迫療法
②圧迫療法は、国保による弾性着衣や包帯の購入代金の補助制度があり、リンパ浮腫治療には必要不可欠の療法で「多層包帯法」と「弾性着衣」があります。
症状が進行して、太く、固くなってしまった腕や脚を細くするためには、禁忌となる別の疾患がないことを確認したうえで、圧迫療法としては弾性包帯による圧迫を行います。この段階では、日ごとに患肢の周径が減少するため、患肢の太さが変化しても常に最適の圧迫をかけることのできる「多層包帯法」で圧迫を行わなければなりません。この段階で弾性着衣を用いてしまうと治療は成功しません。
また、軽度のリンパ浮腫や、集中排液の治療が終わった患者においては、包帯ではなく「弾性着衣」が用いられることが多いです。しかし、弾性着衣も、その材質やサイズの選び方、セラピストによる患肢の計測が間違っていると、圧迫療法の効果が得られないだけではなく、最悪のケースではリンパ浮腫が悪化することもあります。
リンパ浮腫とそれ以外の浮腫のマッサージ方法
リンパ浮腫とそれ以外の浮腫はマッサージの方法も圧も違います。
リンパ浮腫患者へのマッサージを行う際、機能していない所属リンパ節の排液領域においては、そのリンパ節に向けてリンパを流してはいけません。リンパ管内のリンパや間質の間質液は正常に機能しているリンパ節の方へ迂回させます。エステなどで用いる圧の強い、リンパ節に向けて誘導していくマッサージはリンパ浮腫を悪化させます。たとえ医療従事者であっても、リンパ浮腫に対する正しい知識と技術をお持ちとは限りません。専門知識のない医療従事者がリンパ浮腫患者の患肢にむやみに強いマッサージを行ったり、包帯法を試みるのは、リンパ浮腫を進行させてしまったり、線維化を助長して状態を悪化させる危険性があります。ボッダー式リンパドレナージでは、リンパ浮腫に対する手技や手順と、それ以外の浮腫に対する手技や手順は異なります。ボッダー式では、高拍出性浮腫(リンパ系が正常に機能している浮腫)に対しては、非常に軽い圧で行います。それにより、発痛物質がリンパ管に吸収され、疼痛緩和と炎症の鎮静に働きます。また、細静脈から間質にろ過したアルブミンは、間質に浮遊する老廃物を吸着し、それをリンパ管に吸収させることで組織の浄化を行います。リンパ浮腫患者に対しても、患側以外の正常に機能している排液領域部分には基本的にこのソフトアプローチを用います。
一方で、リンパ浮腫の場合、まず先に正常に機能している患肢の所属リンパ節排液領域に隣接する排液領域のリンパの流れを促進する手技を行います。次に、体幹の部分において、患側から健側へ、間質液を誘導しつつ、郭清したリンパ節の場所によって、たとえば乳房の場合は両腋窩リンパ節間吻合、もしくは腋窩鼠径リンパ節間吻合を使って間質液の吸収とリンパの輸送を促進する特殊な手技を使用して正常な排液領域に向かってリンパを誘導します。患側の所属リンパ節に最も近い部位に線維化があれば、線維化を柔らかくする強い特殊手技をまず先に行います。どれほど遠位部が浮腫んでいても、まず、近位部を柔らかくし、近位部が流れるようになるまで、遠位部にはMLDを行わないこともあります。
ボッダー式の場合、MLD単独でも、一定のリンパ浮腫の改善はみられますが、最もリンパ浮腫が改善するのはMLDと多層包帯法を併用した時です。また、多層包帯法のみよりも、MLDを併用するほうが改善は早くなります。
複合的療法(CDT)の 研修施設
2018年現在、CDTの理論研修部分については、厚労省が認定するライフプランニングセンターの「新リンパ浮腫研修」全4日間を履修した者が、実技研修については各地のCDT研修施設に通って研修コースを受講することで、CDT療法士として医療機関に勤務することが可能になります。しかし、国家資格のような厳格な資格ではないため、それ以外の施設で理論や実技研修を受けた医療従事者がCDT療法士としてリンパ浮腫治療に従事している例も少なくありません。
厚労省が定めている実技研修履修時間を満たすだけでは、実践力の習得が難しいと判断する研修施設ではそれを越える研修時間を設定しています。なぜなら、セラピストのMLDや多層包帯法の技術力、治療計画の構築の的確さの違いにより治療結果にばらつきが出てしまうためです。ボッダーアカデミーインターナショナル認定CDTコースは数十年のCDT療法士育成の研修実績があり、治療経験豊富な認定講師が指導に当たり、CDT技術の実技試験、理論試験ともに、世界共通の厳格な評価法で採点されるため、修了者のレベルが一定しています。
日本では、現在、関西のMLDトレーニングセンターと関東の癌研有明病院がそれぞれのCDT療法士認定コースの研修にボッダーアカデミーの講師による実技研修を採用しています。
ボッダーアカデミーインターナショナルの認定コースでは、MLD技術、包帯法、治療計画の習得に全研修課程160時間の約8割を費やし、治療計画の演習を繰り返し行うことで、患者に最も適切なCDT治療計画、MLD、多層包帯法を提供できるセラピストを育成しています。
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2018September05
病院でも使用されるアロマテラピー
アロマテラピーとは
アロマセラピストという言葉自体は多くの人が知っており、ぼんやりとしたイメージはあるでしょう。しかしながら、はっきりとどういうものか答えられる人は少ないです。なんとなく香りに関する仕事をしている人というイメージの人が多いのではないでしょうか。アロマテラピーを直訳すると芳香療法になります。アロマテラピーに香りのイメージをもつのは間違いではありませんが、それは半分の意味です。実際は植物から抽出した香り成分であるエッセンシャルオイルという精油を使って、心身のトラブルを穏やかに回復し、健康や美容に役立てていく自然療法と定義されています。実際に香りを使って治療に携わるといっても、ピンとこないかもしれません。香りには、気持ちをすっきりさせたり、穏やかにさせたりと、精神面に働きかける効果があります。ストレスの多い現代社会では、ストレスが原因で精神的な病にかかったり、体調を崩したりしてしまうことが珍しくありません。そういった病を患っている人や、病とまではいかないまでも、苦痛を感じている人たちを、香りやタッチングでリラックスさせたりリフレッシュさせたりする健康療法がアロマテラピーです。植物が持つ香りを、心身の癒しに使うという発想は古くから存在していたもので、実際に効果があることも認められています。現代では科学技術の発達によって、具体的にどんな香りが、どのような効果をもたらすのかということまで詳しくわかるようになっていますので、状況に応じて使い分けることが可能となっています。直接治すというだけではなく、病気を抱えている患者の倦怠感や痛みなどの症状を緩和するという効果もあるので、病院でも取り入れられています。患者の症状に適した精油を選定して芳香によるリラックスする空間を作ったり、エッセンシャルオイルを使いながらマッサージを行ったりと、利用方法に関してはさまざまなものがあります。
アロマテラピーと病院での医療
最近では臨床においてアロマテラピーを取り入れている病院もあり、患者や付き添いの家族の不安を軽減したり、リフレッシュしたりする効果をもたらしています。アロマテラピーを通じて痛みや倦怠感を緩和するという効果もあるため、非常に重要なポジションとなりつつあります。最近では看護師をしながらアロマテラピーの資格を取り、臨床の場に活かしているという方も増え、活躍の場が広がっています。 また、産婦人科でもアロマテラピーを取り入れる病院が増えており、精神状態が不安定になりやすい出産前後に、妊婦さんのこころをやわらげる効果があります。出産直前には陣痛緩和を助けるブレンドオイルなどを利用して、痛みの緩和とリラックス効果をもたらすこともできます。産婦人科では妊婦さんが安心して出産できるように、病院独自のサービスを行っているところがたくさんあります。アロマテラピーをその一環として取り入れているところは多くなっており、専属のアロマセラピストや、資格を持った看護師が常駐している病院もあります。そのため、効果の高さも広く認知されるようになってきました。さらに、ホスピスなどの緩和ケア病棟でもアロマテラピーが導入される場が増えています。アロマを使ったマッサージは、精神的なリフレッシュだけではなく、手足のむくみや皮膚の乾燥、体のだるさなどにも効果があります。過ごしやすい空間を作る上でも、非常に高い効果を発揮するものとなっています。
アロマテラピーの効果
具体的にどのような香りが、どのような効果を持っているのでしょうか。人が香りを感じる仕組みは、香りの成分を呼吸とともに鼻に入れ、鼻の嗅粘膜から嗅細胞、さまざまな神経を通って脳へと達し、香りを感じるというものです。アロマテラピーで用いられる精油成分は皮膚から働きかけるということも分かっており、病院でも使用されるようになりました。免疫力に関係するMK細胞活性値を上昇させたり、エストロゲンの濃度を増加させたりする他、メラニン生産を抑制したり、副交感神経を高めて動脈機能を改善したりと、さまざまな身体への影響を与えるものとなっています。このように、香りには具体的に人体に働きかける効果があることが分かっています。ただ良い香りがしていい気持ちになったというだけではなく、実際に人体に良い影響を与えるものといえます。用途に合わせた精油を具体的にいくつか紹介します。まず、集中力を高めたいときには、ペパーミントやレモン、ユーカリ、ローズマリーが適しています。眠れない時などに気持ちを落ち着けて入眠を促進する効果があるのが、カモミールやラベンダー、ネロリ、マージョラムです。やる気を出したいときにはクラリセージやグレープフルーツ、ジャスミンがいいとされています。元気がない時、元気を出したいときにはグレープフルーツやカルダモン、ローズマリー、レモングラスが適しているとされています。自分の気分や体調に合わせて、適した精油を選んで気分転換してみるといいでしょう。
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2018September03
9/4(火) 台風の影響によるスクール休校について
明日、
9月4日の台風の影響によるスクールの休校につきましてお知らせ をいたします。 大型台風21号の接近に伴いまして、
明日の全ての授業を休講することを決定いたしました。京都、大阪両校ともに休校とさせて頂きます。
該当日の授業に在席されている生徒さまには、
別途、個別にご連絡を差し上げますので、
いましばらくお待ちくださいませ。皆さま方におかれましては、
台風情報に十分にお気をつけくださいませ。 ↓↓↓台風情報はこちら↓↓↓
http://www.jma.go.jp/jp/typh/上記に関わるご質問・ご不明点などがございましたら、
ご遠慮なくお問合わせください。 フリーダイヤル:0120-872-700
ジャパン・エコール・デ・アロマテラピー -
2018September01
資料請求された方限定\最大20%OFF/
※チケットプレゼントキャンペーンは予定枚数に達したため終了いたしました
ジャパン・エコール・デ・アロマテラピーは
秋の学びを応援します!○●○●○━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今だけ!資料請求された方
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